米高官 イスラエル首相のアメリカへの不満に反論「深く失望」

イスラエルのネタニヤフ首相がアメリカが兵器などの供与を控えていると主張し、不満を示したことについて、アメリカ政府の高官は「深く失望している」と述べたうえで、主張は正確ではないと反論しました。

イスラム組織ハマスとの戦闘を続けるイスラエルのネタニヤフ首相は18日の声明でブリンケン国務長官との会談について触れ「過去数か月間、アメリカがイスラエルへの兵器や弾薬の供与を控えていることは考えられないと伝えた。われわれは道具を与えられればより早く仕事を終えられる」と述べて、不満を示しました。

これについてアメリカ ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は20日、記者団に対し「ハマスやそのほかの脅威からイスラエルを守るため、アメリカ以上に多くの支援を行っている国はない」と述べました。

そのうえで「われわれは発言に深く失望し、当惑している。イスラエルの自衛のために必要な支援を何らかの形でやめたという考えは正確ではない」と反論しました。

バイデン政権は先月、イスラエルによるガザ地区南部ラファへの大規模な地上作戦を実施することに反対し、威力の強い弾薬の輸送を一部、停止したと明らかにしましたが、そのほかの兵器などの供与は行っているとしています。

カービー補佐官は、イスラエル側に今回の発言に対する失望を明確に伝えたとしていて、ネタニヤフ首相とバイデン政権との溝が表面化しています。