処理水放出 中国禁輸長期化 全漁連“政府は一層の働きかけを”

東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水の放出をめぐり、中国による日本産水産物の輸入停止の措置が長期化していることについて、全漁連=全国漁業協同組合連合会の坂本雅信会長は規制の即時撤廃に向け、中国に対する一層の働きかけを政府に求めました。

去年8月に始まった福島第一原発にたまる処理水の海への放出をめぐっては、反発する中国による日本産水産物の輸入停止の措置がいまも続いています。

これについて、全漁連の坂本会長は20日の記者会見で「特にホタテやなまこなどで影響が大きく、漁業者から困っているという声が寄せられていて、われわれも国内の消費拡大やほかの国への輸出も含め支援していく方向で対応している。中国の禁輸措置が続いていることは遺憾で、国にもっとしっかりやってもらいたい」と述べ、規制の即時撤廃に向け、中国に対する一層の働きかけを政府に求めました。

一方、全漁連が会員として出資する農林中央金庫が外国債券の運用の失敗で、来年3月期の最終赤字が1兆5000億円規模に拡大する可能性があると明らかにしたことについては「農林中金からは巨額の赤字を計上するが財務の改善をやっていくとの話をもらっている。われわれとしては漁協などに影響があるかどうか、農林中金の対応とあわせ、注視していきたい」と述べました。