福島 浪江町 「特定帰還居住区域」で除染作業始まる

13年前の東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、いまも避難指示が出されている、福島県浪江町の「帰還困難区域」のうち、希望する住民が居住できるようにする区域で、20日から除染作業が始まり、今後、住宅の解体作業などがようやく始まることになりました。

浪江町では、町の面積のおよそ8割にあたる175平方キロメートルが、今も、原発事故に伴い立ち入りを厳しく制限する「帰還困難区域」に指定されています。

国と町は、このうち4%にあたる7.1平方キロメートルで、希望する住民が居住できるようにする「特定帰還居住区域」を設けていて、20日から国が除染作業を始めました。

このうち町西部の山間部にある津島地区の羽附行政区では、人が住んでいない家屋が残ったままになっている中、作業員が重機を使って住宅周辺の農地で土を削り取ったり草を刈ったりしていました。

国は、浪江町の「特定帰還居住区域」のうち今年度はおよそ52ヘクタールの範囲で除染を進め、71軒の家屋の解体を行う計画です。

環境省環境再生課の中村祥課長は「山間部でこれまで以上に除染が簡単ではないと考えられるが、個別の地形や事情をみて相談し、丁寧かつ迅速に除染を進め、住民の皆さんがなんとか早く戻れるように尽くしていきたい」と話していました。