宮城・山形地盤「じもとHD」実質的な国の管理下に 業績悪化で

宮城と山形を地盤とする金融グループ「じもとホールディングス」の株主総会が20日、仙台市で開かれ、グループはこの総会から、実質的な国の管理下に入る異例の状況になりました。

じもとホールディングスの株主総会では、傘下で山形市に本店を置くきらやか銀行の業績悪化を反映して、昨年度の最終損益がグループ発足以来最大の234億円の赤字になったことについて、鈴木隆社長が「株主の皆さんにご心配やご迷惑をかけておわび申し上げる」などと陳謝しました。

グループは、業績の悪化で国に発行した「優先株」への配当が出せず、この総会から国が議決権の63%を取得し、実質的な国の管理下に入る異例の状況になりました。

会社によりますと、国側からきらやか銀行の業績回復の見通しを尋ねる質問が書面で寄せられ、きらやか銀行の頭取を務める川越浩司会長が「外部からの人材を登用するなどして融資の審査体制を見直し、黒字化を目指す」などと述べたということです。

そして、鈴木社長や川越会長を含む取締役の選任案などが賛成多数で承認されました。

鈴木社長と川越会長は、ことし9月の期限までの返済が難しくなっている公的資金200億円をどうするか国との協議にめどがついた段階で、一連の経営責任を取って辞任する予定です。

株主 “経営再建どう進めていくか注目”

株主総会に出席した株主からは今後、経営再建をどう進めていくか注目したいという声が多く聞かれました。

70代の株主の男性は「総会では経営陣から反省のことばがあったが今後どのように経営再建に取り組み、黒字化を達成するかしっかり見ていきたい」と話していました。

60代の株主の男性は「総会ではきらやか銀行と仙台銀行で異なる融資の審査体制を見直すと説明があった。経営を再建させ、山形と宮城にまたがる地域に貢献する金融機関になってもらいたい」と話していました。