維新 自民改正案反対方向で調整 首相への問責決議案提出検討

政治資金規正法の自民党の改正案について、日本維新の会は、衆議院で賛成したものの、参議院では反対に回る方向で調整を進めることになりました。藤田幹事長は、岸田総理大臣に対する問責決議案の提出を検討する考えを示しました。

政治資金規正法の改正をめぐり、日本維新の会は、衆議院では自民党の法案に賛成したものの、国会議員に支給される「調査研究広報滞在費」の使いみちの公開などについて、自民党が今の国会での実現に消極的だとして、批判を強めています。

こうした中、維新の会は、18日午前、参議院議員総会を開いて自民党の法案への対応を協議し、参議院では反対に回る方向で調整を進めることを確認しました。

このあと、藤田幹事長は記者団に対し「参議院議員総会では出席者から悔しい思いと厳しい姿勢を求める声をもらった。法案の対応はきょう午後の役員会で最終決定したいが、このままでは反対せざるを得ない」と述べました。

また、藤田氏は「調査研究広報滞在費」をめぐり「自民党が『時間がない』と言って結論を先送りにしていることは本当に残念で国民に対しての裏切りだ。岸田総理大臣のガバナンスの欠如ということも含めいちばん厳しい姿勢で臨みたい。岸田総理大臣に対する問責決議案の提出も検討したい」と述べました。

維新 遠藤国対委員長「反対は当然 無知で結構」

日本維新の会の遠藤国会対策委員長は記者団に対し「衆議院で議論してきたことを、参議院で議論し直す中で、約束がほごにされたら反対するのは当たり前だ。今までの永田町の歴史から『衆議院で賛成したのに参議院で反対することはそしりを受ける』という人もいるが、それは勝手で自由だ。永田町にかぶれた人の言うことは全く気にしていない。無知で結構であり、そうでなければ国会改革はできない」と述べました。

自民 梶山幹事長代行「法案の賛否や問責決議案提出は各党判断」

自民党の梶山幹事長代行は記者会見で「法案の賛否や問責決議案の提出は、各党の判断によるものだ。『調査研究広報滞在費』の使いみちの公開などに立法措置を講じる件は、岸田総理大臣が日本維新の会の馬場代表と党首会談で合意したもので、党首の合意は大変重たい。早期に結論を得られるようしっかり取り組んでいきたい」と述べました。

自民 森山総務会長「衆参で同じ行動が望ましい」

自民党の森山総務会長は記者会見で「会期末だからさまざまな動きがあると思うが、岸田総理大臣も政党間の合意を踏まえて誠心誠意対応するとしているので理解していただきたい。同じ法案で衆参の賛否が異なるのは国民からすると非常に分かりにくい。それなりの理由があると思うが、衆参で同じ行動を取ることが望ましいのではないか」と述べました。

公明 山口代表「きちんとした説明が必要」

公明党の山口代表は記者会見で「日本維新の会の馬場代表と岸田総理大臣とで交わした合意文書は重みがある。維新の会は法案の賛否で参議院では異なる対応をするのであれば、国民に対しきちんとした説明が必要ではないか」と指摘しました。

その上で「調査研究広報滞在費」の使いみちの公開などについて「自民党として幅広い合意を得ることを目指し努力する必要がある。今の国会の会期で事実上困難なのであれば、国会閉会後も引き続き議論の機会を設け、できるだけ早く合意を得られるようにすべきだ」と述べました。

国民 玉木代表「総理にうそはなく合意のとおり対応」

国民民主党の玉木代表は記者会見で「党首間の合意は重く、『調査研究広報滞在費』をめぐる立法措置の期限が書いていないことも含めての合意だ。文書を交わした以上、文言がすべてで、岸田総理大臣にうそはなく、合意のとおり対応している。問責決議案を出すならば、その矢は維新の会の執行部にも向くべきだ」と述べました。

その上で「維新の会が中途半端に自民党に助け船を出して政策活動費では『渡しきり』のお金を合法化するようなできの悪い『ザル法』が成立してしまうことは罪が重い。衆議院で賛成して、修正させた責任は誰が取るのか。参議院で何の修正もしないことは極めて無責任だ」と述べました。