ユニセフ「子どもに対する戦争」ガザ地区の子どもに強い危機感

イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘が続くガザ地区の子どもたちの状況について、日本を訪れているユニセフ=国連児童基金の中東地域の代表は、多くの子どもが死傷しているうえ、およそ1万7000人が親を失ったとして、「子どもに対する戦争だ」と強い危機感を示しました。

ガザ地区の被害状況について、地元当局は6月14日の時点で、3万7200人以上が死亡し、その4割以上に当たる1万6000人近くが子どもだとしています。

さらに、およそ3万4000人の子どもがけがをし、およそ1500人の子どもが手足を失ったり重度の障害を負ったりしたといいます。

こうした中、ユニセフの中東・北アフリカ地域事務所のアデル・ホドル代表が17日、都内でNHKなどの取材に応じ、子どもたちが置かれた最新の状況について、
▽食料の不足などからおよそ3万7000人が重度の栄養失調に陥っているほか
▽およそ1万7000人が親などの保護者を失い、搾取や虐待の危険にさらされていると指摘しました。

そして「この戦争は子どもに対する戦争だ。ガザ地区の人口は非常に若く、狭い地域のどこを攻撃しても子どもが殺されてしまう。ガザは『子どもたちの墓場』で非常に厳しい状況だ。物資や医療機器を備えた病院に搬送されれば、命が救われたり手足を失わずに助かったりした子どももいる」と述べました。

そのうえで「何よりも停戦が重要だ。戦闘が続くかぎり、物資の輸送を話し合うことも、計画することもできない」として、改めて即時停戦を求め、国際社会が一丸となって子どもたちの救済にあたるよう訴えました。