東京女子医科大 “教員採用や昇格 同窓会組織への寄付を評価”

東京女子医科大学が、卒業生の教員への採用や昇格の際に、同窓会組織への寄付を評価の対象としていたことが分かりました。大学では同窓会組織の経理処理をめぐり警視庁の捜索を受けていて、文部科学省はこの評価制度についても調査して報告するよう求めています。

文部科学省によりますと、東京女子医科大学では2018年6月から去年8月まで、卒業生が教員への採用や昇進を申し出る際に、同窓会組織「至誠会」での活動状況をまとめた報告書を大学側に提出することが義務づけられていたということです。

報告書では、「至誠会」への寄付の実績や、会での役職、総会などの行事への出席状況がポイント化されて記載されており、採用や昇進の際にはこのポイントを踏まえて評価されていたということです。

東京女子医科大学はことし3月、「至誠会」の経理処理をめぐり特別背任の疑いで警視庁の捜索を受けていて、大学は不正の有無やガバナンスについて検証するため、第三者委員会を設置しています。

文部科学省は、この評価制度についても導入の経緯や運用の実態を調査し報告するように求めたということです。

東京女子医科大学は「公益性のある活動をしている至誠会への寄付を社会貢献活動として積極的に評価してきたが、寄付を強いる行為は確認されていない」とコメントしています。