大谷翔平 2打席連続ホームラン チーム勝利に貢献【一問一答】

大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が16日、ロイヤルズ戦に先発出場し2打席連続でホームランを打ってチームの勝利に貢献しました。

記事後半では2本のホームランの振り返りや、離脱を余儀なくされた山本由伸投手やベッツ選手について、試合後の大谷選手の一問一答をお伝えしています。

大谷翔平 今季初 2打席連続HR

ドジャースは本拠地のロサンゼルスでロイヤルズとの3連戦の最終戦に臨み大谷選手は2番・指名打者で先発出場しました。

1回の第1打席は1アウトランナーなしの場面でフォアボールを選んで塁に出たあと、続くフリーマン選手のヒットで三塁まで進みましたが得点にはつながりませんでした。

第2打席は0対0の3回、真ん中寄りに甘く入ったボールを見逃さずセンター後方へ4試合ぶりとなる今シーズン18号のソロホームランを打ちました。

打球速度183.9キロ、飛距離は137.4メートルで、今シーズン、大谷選手が打ったホームランの中で2番目に大きい当たりでした。

6回は先頭バッターで第3打席に入り初球のインコース低めのスライダーを引っ張って、ライトスタンドへ2打席連続となる19号ソロホームランを打って追加点をあげました。

1試合2本のホームランは今シーズン2回目、1試合での2打席連続ホームランは今シーズン初めてです。

このあと続くフリーマン選手もホームランを打ち、ドジャースは3対0とリードを広げました。

7回の第4打席は2アウト一塁二塁のチャンスでしたが、センターライナーに倒れました。

大谷選手は3打数2安打2打点、フォアボールが1つで打率を3割9厘としました。

試合はドジャースが3対0で勝ちロイヤルズとの3連戦を2勝1敗で勝ち越しました。

大谷「数少ない甘い球をしっかりと打てた」

大谷選手は、試合後、現地放送局のインタビューに応じ「打ち方も含めて毎日よくなるように努力はしているのでそれがいい結果につながった。相手の先発ピッチャーがリズムよくテンポよくいいピッチングをしている中で数少ない甘い球をしっかりと打てたのでよかった」と勝利に貢献した2本のホームランについて振り返っていました。

また、今シーズン自身2番目に大きな当たりだった1本目のセンター方向へのホームランについて「あの方向に飛距離が出ているというのはいい状態だと思う。気持ちいい感覚だった」と満足そうに振り返りました。

大谷選手が今シーズン最も大きなホームランを打ったのは先月5日で打球方向も同じセンター方向でした。その週は打率5割を超えたほか、3本のホームランを打って週間MVP=最優秀選手を獲得しています。

大谷選手は6月に入ってから打率が2割4分1厘と波に乗り切れていませんが「自分のバッティングの感覚と、外からどういうふうに見えているのかというのをコーチなどとコミュニケーションをとりながら、毎日話しあっていろいろ工夫している」と、試行錯誤を続けているということで、この日のセンター方向へのホームランは再びバッティングの調子が上向く兆しを感じさせる一打となりました。

また、けが人リスト入りした山本由伸投手やこの日の試合で手にデッドボールを受けて途中交代となったベッツ選手について聞かれると「チームにとってタフな状況が続いているがなんとかみんなでカバーできるように頑張りたいし、まずは早く戻って来られるように祈っています」と話していました。

大谷 ベッツの骨折について「みんなでカバーしていく」

ドジャースの1番・ベッツ選手は7回の第4打席で左手に157キロのストレートが当たってその場に倒れ込み、しばらく起き上がることができず、代走を送られて交代しました。

ベッツ選手は左手を骨折したということでロバーツ監督は「手術はしない予定だ。復帰に向けての見通しはまだ立っていないが、シーズン終了ではないだろう」と話しました。

ベッツ選手は今シーズン、ここまで打率3割4厘、出塁率はリーグ2位の4割5厘となっていて、ほぼすべての試合でリードオフマンとして出場し、2番を打つ大谷選手、さらに3番を打つフリーマン選手とともに大リーグ屈指の強力な上位打線の一角を担っていました。

ロバーツ監督によりますと、ベッツ選手が不在の間の打順は2番を打つ大谷選手を1番に上げて起用する案が第1候補だということです。

大谷選手は、MVPを獲得した経験もある打線の中心選手を欠くことになったことについて「チーム全体にとってタフな瞬間だ。欠かせない選手だが、起きたことは起きたこととしてみんなでカバーしていくしかない。本人の早期回復を祈りながら、チームとして頑張りたい」と話していました。

【大谷翔平 一問一答】

大谷選手は、今シーズン2回目となる1試合2本のホームランを2打席連続で打った試合のあと、報道陣の取材に応じました。手応え十分だったホームランについて「気持ちいい感覚」と振り返ったほか、離脱を余儀なくされた山本投手やベッツ選手についておよそ7分間質問に答えました。

〈アメリカメディア〉
Q.チームとして得点があまりとれていないが、打線のリーダーとして考えることは?

大谷翔平 選手
「んー、まあミーティングもいろいろ工夫して、チームでどういうふうに得点していくかということを話し合ってはいるんですけど、なかなかこう、いい形になっていかないというところでもどかしさを感じてはいるとは思うんですけど、いい形にはやく持って行けるようにみんな工夫しているとは思うので、1試合1試合進歩はしているのかなと思っています」

Q.ベッツ選手がけがをしてしまったが、どう感じているか?

「チーム全体にとって、タフな瞬間ではあると、もちろん思うので、欠かせない選手だと思いますし、ただ起きたことは起きたこととして、本人の早期回復をまず祈りながら、チームとしてそれをカバーできるように頑張りたいなと思っています」

Q.グラスナウ投手のピッチングを見て、なんとか援護したいと思った?

「それはまあ全員思っていると思いますし、本当に相手を、相手のチームを寄せつけないような、そういうすばらしいピッチングだったと思います」

Q.最近ゴロが多かったが、バッティングで調整したことは?

「そうですね、初めてのチームで初めてのコーチ陣、まずはコミュニケーションがいちばん大事だと思うので、自分のバッティングの感覚というのと、外からどういうふうに見えているのかというのをまずコミュニケーションとりながら、それは毎日話しあって、いろいろ工夫してはいます」

Q.ホームランの感覚はどうだったか?

「あそこの方向に飛距離が出ているというのは、まずいい状態じゃないかなと思うので、気持ちいい感覚だったなと思います」

〈日本メディア〉
Q.新しいチームで話し合いながら、バッティングのヒントになったことは?

「んー、なんですかね、まあ一人一人、理論的なものは多少違うとは思うので、必ずしも全員にあてはまることと、そうじゃないことがありますし、そこを、なんていうんですかね、感覚をまず、自分の感覚と、さっきも言いましたけど、外から見た状態がどうなのかなっていうすり合わせを、コミュニケーションの中でできればいいんじゃないかなと思います」

Q.父の日に2本打てた。

「あんまり今まで打ってる思い出はなかったんですけど、まず打ててよかったなというのと、勝てて、シリーズ勝ち越しをまずできてよかったんじゃないかなと思います」

Q.山本投手と話したことは?

「まあきのうも、本人はもっと行くつもりだったと思いますけど、チームと話して早い段階でやめたと思うので、よく捉えるなら、手遅れになる前に休めたのではないかなと思いますし、まあ、順調に回復していけば、早い段階で帰って来られるんじゃないかなと思うので、それをまず期待したいですし、本人もまずプラスに捉えることは捉えてリハビリはしていくんじゃないかなと思います」

Q.山本投手とベッツ選手の離脱、自身の役割は?

「なんですかね、キーになる選手がもちろん抜けるというのは、打線の中でアプローチも変わると思いますし、もちろん打順も変わってくるし、なんていうんですかね、代わりに出る選手の入る打順によっても多少変わってくると思うので、それはもうみんなでカバーしていくしかないのかなと思います」

Q.山本投手のけが、同じ投手としてどんなことを感じるか?

「んー、1試合1試合こう、なんていうんですかね、前の登板から次の試合にも、調整も人一倍頑張ってると思いますし、見ててそう思うので、そこのケア不足であったりとか、そういうことはもちろんないとは思いますし、全部を全力でもちろん本人もやっていたのは見てるので、本人がいちばん悔しいとは思いますけど、本当に早い段階でまた帰って、いい状態で投げられるように、まずサポートしたいなとは思っています」

【解説】投打主力選手の離脱で懸念される大谷の健康状態

ここまでリーグトップクラスの安定した成績で、地区首位を守ってきたドジャースですが、ここに来て突如、投打の軸を担ってきた選手の離脱に見舞われました。

その1人が、山本由伸投手です。

山本由伸投手

大リーグ1年目ながらここまで6勝をあげ、ローテーションの軸として存在感を見せていましたが、16日からけが人リストに入り、数週間はノースローで調整することになりました。

さらに、追い打ちを掛けたのが16日の試合で左手を骨折したベッツ選手。チームの先頭に立ち続けてきたリードオフマンも長期離脱が避けられない状況です。

投打の柱とも言える存在を欠くことになった状況のなか、16日の試合後の取材では報道陣から大谷選手に対してチームの“リーダー”としてコメントを求める質問が相次ぎ、苦しいチーム状況の中で、これまで以上にチームを引っ張るという役割を担うことが明確になりました。

だからこそ懸念されるのは大谷選手の健康状態です。

昨シーズン大谷選手が所属したエンジェルスも、6月ごろから主力のけがが相次ぎ、7月初旬にはトラウト選手が左手の骨折で離脱すると、大谷選手への負担が大きくなりました。

対戦する相手チームが大谷選手を集中的に警戒したことで、敬遠数は自己最多を更新。その中でも投打の二刀流として休みなく出場を続け、7月の後半から筋肉のけいれんなど疲労が体調面に影響を及ぼすようになりました。

そして、8月に右ひじのじん帯を損傷、9月には右脇腹のけがと重なり、自身もけがでシーズンを終えることになったのです。

今回の事態を受けてドジャースのロバーツ監督は、大谷選手の打順をベッツ選手に代わり1番に上げる案を第1候補として示しています。

その場合は、2番にフリーマン選手が入ることが予想されるため、大谷選手に対して相手が徹底して勝負を避けるようなことは少ないとみられます。

一方で、これからピッチャーとしてのリハビリも強度が上がっていくなかで、負担が増して疲労が蓄積することは昨シーズンのように大谷選手自身のけがにつながりかねません。

ロバーツ監督が「われわれには優秀な選手たちがいる」と言うように、分厚い選手層を誇るドジャースには、この苦境をカバーできる人材がそろっています。

これまでも、腰や太ももに痛みを感じれば、チーム側から大谷選手に休みを提言し、大谷選手も受け入れてきました。

取材に対し「みんなでカバーしていくしかない」とチーム全体で戦う決意を述べた大谷選手。シーズン終盤、そしてその先のプレーオフに万全な状態で臨むためにも、けが人が相次いだこのタイミングで、より慎重なコンディション管理が求められます。