イスラエル軍 “ガザ南部で軍事活動 一時的に停止”と発表

イスラエル軍はイスラム組織ハマスとの戦闘を続けるガザ地区南部で人道支援物資の搬入のため、主要道路沿いでの軍事活動を一時的に停止すると発表しました。ただ、支援にあたる国連機関は人道状況の改善のために一刻も早い停戦が必要だと訴えています。

イスラエル軍はガザ地区への攻撃を続け、パレスチナの地元メディアは16日、南部ラファや北部のガザ市でイスラエル軍による空爆があり、けが人が出ていると伝えています。

一方、イスラエル軍は地上作戦を進めているガザ地区南部の一部の地域で軍事活動を毎日午前8時から午後7時まで一時的に停止すると16日、発表しました。

イスラエルとの境界にあり人道支援物資の搬入経路になっている南部のケレム・シャローム検問所からハンユニスに続く主要道路沿いが対象で、支援物資の搬入量を増やすためだとしています。

ただ、イスラエル軍は、ヘブライ語版のSNSには「これは作戦の停止ではなく、ラファでの作戦は継続する」と投稿し、国内向けには強硬姿勢をアピールしています。

ケレム・シャローム検問所をめぐっては、イスラエル当局が検問所では多くの物資が国連などによる受け取りを待っている状態だと主張する一方で、国連はイスラエル軍の攻撃などで検問所へのアクセスが難しくなっているとしていて、物資の搬入が滞っていました。

現地で支援にあたるUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は15日、「住民は絶望的なレベルの飢えに直面し続けている。5万人以上の子どもが栄養失調で治療を必要としている」として人道状況の改善のために一刻も早い停戦が必要だと訴えています。