「窓ぎわのトットちゃん」世界最大級のアニメ映画祭で特別賞に

俳優でタレントの、黒柳徹子さんの自伝的な小説を映画化した、「窓ぎわのトットちゃん」が、フランスで開かれていた世界最大級のアニメーション映画祭で特別賞を受賞しました。

フランス南東部で毎年開かれる「アヌシー国際アニメーション映画祭」は、世界各地から出品された長編や短編などのアニメ作品が最高賞の「クリスタル賞」を競う、世界最大級のアニメーション映画祭です。

最終日の15日には各部門の授賞式が行われ、このうち長編部門では「窓ぎわのトットちゃん」が、特別賞にあたる、ポール・グリモー賞に選ばれました。

日本の作品が特別賞を受賞するのは、田口智久監督の「夏へのトンネル、さよならの出口」に続いて2年連続です。

鮮やかで躍動感あふれるアニメーション

映画「窓ぎわのトットちゃん」は俳優でタレントの黒柳徹子さんが自伝的な物語として1981年に発表して大ベストセラーとなった児童小説が原作の作品です。黒柳さん自身も製作に関わったということです。

落ち着きがないことを理由に小学校を退学になったトットちゃんが新しく通うことになった電車が教室の一風変わった学校「トモエ学園」で、友だちとのびのび成長する姿が描かれます。トットちゃんの声は公開当時7歳の大野りりあなさんが演じました。

昭和初期の東京を舞台に幸せな日常が徐々に戦争に翻弄されていくなか、深い愛情でこどもたちを見守る校長の小林先生との思い出が描かれます。小林先生の声は役所広司さんが演じました。

監督と脚本は「ドラえもん」で知られるシンエイ動画の八鍬新之介さんが手がけ、トットちゃんの世界を鮮やかで躍動感あふれるアニメーションで表現しています。