液状化注目のきっかけ 新潟地震から60年 体験語り継ぐ座談会

液状化に注目が集まるきっかけになったとされる新潟地震の発生から16日で60年です。能登半島地震の発生で液状化対策の必要性に改めて注目が集まる中、新潟市では体験を継承する取り組みが行われています。

新潟県下越沖を震源として起きたマグニチュード7.5の新潟地震は揺れに加えて直後に津波が押しよせ、新潟市などで26人が亡くなりました。また、広い範囲で液状化が発生して鉄筋コンクリートの県営アパートなどが次々と傾き、液状化の研究や対策が本格化するきっかけにもなりました。

新潟市は当時の体験の継承を進めていて、今月8日に開かれた座談会では中学1年生の時に経験した70代の女性が自宅が傾いたり、地面から砂や水が噴き出したりしたという液状化による被害を証言しました。

また、当時、中学3年生だった70代の男性は校庭から校舎の屋上に避難するわずかの間に津波が一気に押し寄せ、腰のあたりまで水につかりながら逃げたと語りました。

新潟大学災害・復興科学研究所の卜部厚志所長は「新潟県の沿岸には海底活断層が確認されていて、新潟地震より大きな被害をもたらすおそれがある。大きな揺れを感じたら、高い場所を目指してすぐに逃げるようにふだんから意識するとともに、備蓄などの備えを進めてほしい」と指摘しています。