WFP“ガザ南部で壊滅的な飢餓に陥るおそれ” 即時停戦訴え

イスラエルとイスラム組織ハマスによる停戦や人質解放に向けた交渉が停滞する中、ガザ地区の人道状況は悪化の一途をたどっており、WFP=世界食糧計画は激しい攻撃が続くガザ地区南部で壊滅的な飢餓に陥るおそれがあるとして、即時の停戦を訴えています。

イスラエル軍が攻撃を続けるガザ地区では北部にある住宅への空爆があり、パレスチナの地元メディアは15日、医療関係者などの話として女性や子どもを含む19人が死亡したと伝えました。

地元の保健当局は14日、これまでの死者が3万7266人に上ったとしています。

現地の人道状況が一層深刻化する中、ガザ地区を視察したWFPのスコウ副事務局長は、「人々は、衛生的な環境や基本的な医療、それにある程度の尊厳が必要だと話していた。そして、みな停戦を望んでいる」と述べました。

そのうえでガザ地区南部ではラファなどで戦闘が激化し、支援物資を届けることがほぼ不可能な状況で、壊滅的な飢餓に陥るおそれがあるとして、即時の停戦を訴えました。

こうした中、アメリカ中央軍は、支援物資を海から運び込むためガザ地区の海岸に設置した浮き桟橋を海上の状況を理由に一時的に撤去すると発表しました。

天候が回復ししだい、再び設置し、支援物資の搬入を再開するとしていますが、人道状況は悪化の一途をたどっていて、影響が懸念されています。