南アフリカ 連立政権樹立で合意 現職の大統領の続投決定

南アフリカでは、5月の総選挙でアパルトヘイト=人種隔離政策撤廃以降初めて議席の過半数を失った与党が、自由主義経済を重視する第2党などとの連立政権の樹立で合意し、14日の議会での投票の結果、現職のラマポーザ大統領の続投が決まりました。

南アフリカでは、5月に行われた総選挙の結果、アパルトヘイト撤廃以降30年にわたって政権を担ってきたANC=アフリカ民族会議が議会で過半数を割り込みました。

ANCは、「国民統合政権」を目指すとして、各党との連立交渉にあたってきましたが、14日までに白人の支持者が多く自由主義経済を重視する第2党の民主同盟などと連立政権を樹立することで合意しました。

これを受けて、14日に招集された議会での投票の結果、ANCのラマポーザ大統領の続投が決まりました。

議場で演説したラマポーザ大統領は、「選挙で示された国民の意思に基づき、各党が協力し合って、国民が直面する諸課題に取り組んでいこう」と呼びかけました。

新たな政権では、低迷する経済の建て直しや、凶悪犯罪が多発する治安状況の改善、それに政府機関にまん延する汚職の撲滅などに取り組むとしています。

一方で、ANC内部には、黒人への経済的優遇措置の撤廃などを主張する民主同盟との連立に反発する声もあり、今後、安定した政権運営が行えるかが焦点となっています。