“イスラエルとハマス双方に戦争犯罪行為” 国連 報告書を公表

イスラエルとイスラム組織ハマスの間で続く戦闘について、国連の調査委員会は、双方に戦争犯罪にあたる行為があったとする報告書をまとめ、一刻も早い停戦と人質の解放を求めました。

ガザ地区への攻撃を続けるイスラエル軍は、南部のラファや中部でハマスの戦闘員十数人を殺害したと13日に発表しました。

パレスチナの地元メディアは、イスラエル軍がラファの海岸沿いにある住民の避難先とされた「人道エリア」を攻撃したと伝えましたが、イスラエル軍は「報道とは異なり『人道エリア』は攻撃していない」と否定しています。

こうしたなか、国連人権理事会の調査委員会は去年末までのイスラエルとハマスの戦闘についての調査結果をまとめ、12日に報告書を公表しました。

報告書では、イスラエルとハマス双方に戦争犯罪にあたる行為があったと指摘し、
▽イスラエル軍については、ガザ地区で食料不足を引き起こし、戦争の手段として飢餓を用いたほか、民間人や民間施設を意図的に攻撃したり、強制的に住民を退避させたりしたことが、戦争犯罪にあたるとしています。

▽ハマス側については、イスラエルへの越境攻撃で民間人を意図的に攻撃して殺害し、子どもを含め人質にとったことなどが、戦争犯罪にあたるとしています。

そのうえで、
▽イスラエルには、直ちに攻撃を停止して人道支援物資の搬入を可能にするよう求め、
▽ハマスに対しては人質を解放するよう求めています。

停戦と人質の解放に向けた交渉では、ハマス側が提案内容に多くの変更を求めてきたとアメリカ側が明らかにするなど、引き続き難航しているとみられます。