医療機器メーカー「抱き合わせ販売」か 公取委が立ち入り検査

大手医療機器メーカーの「シスメックス」が、検査機器の販売や更新の際、自社の試薬の購入を条件にする「抱き合わせ販売」を行い、市場の競争を妨げた疑いがあるとして、4日公正取引委員会が立ち入り検査に入ったことが、関係者への取材で分かりました。

独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を受けたのは、神戸市に本社がある大手医療機器メーカーの「シスメックス」です。

会社のホームページによりますと「シスメックス」は、脳梗塞や心筋梗塞の診断や治療などで用いられる血液凝固検査用の機器の販売などで、世界トップのシェアがあります。

関係者によりますと、国内の病院が検査機器を購入したり、更新が必要になったりした際、自社が販売する試薬の購入を条件にする「抱き合わせ販売」をしていた疑いがあるということです。

独占禁止法は、競合先を排除し、市場の競争を妨げることにつながるとして「抱き合わせ販売」を禁じていますが、「シスメックス」は、市場での高いシェアを背景に、病院側に対し、自社の試薬を購入しなければ機器の更新に応じないことを示唆するなどしていたとみられるということです。

公正取引委員会は今後、関係者からの聞き取りを進め、シスメックスと病院側との詳しい取り引きの状況などを調べるものとみられます。