エレベーターの死亡事故から18年 高校生の母親が講演

東京 港区のマンションで高校生が上昇するエレベーターに挟まれて死亡した事故から18年となった3日、母親が講演で「1人の事故ではなく社会全体で命を守ることにつなげてほしい」と訴えました。

平成18年6月3日、東京 港区のマンションでエレベーターが扉が開いたまま上昇し、当時高校2年生だった市川大輔さんが体を挟まれて死亡しました。

事故から18年となった3日、現場近くには献花台が設けられ、大輔さんの母親、市川正子さんが臨席する中、武井雅昭区長などが花を手向けました。

このあと開かれた講演会で、正子さんは「私たちにできるのは事故を忘れず次につなげることです。16歳の息子の命をなぜ救うことができなかったのか。1人の事故の問題ではなくみんなの安全の問題と捉え、社会全体で命を守ることにつなげてほしい」と訴えました。

この事故をきっかけに、港区は区の所有、管理する施設のエレベーターに、扉が開いたまま動いた時に自動で停止する装置の設置を進めています。

市川正子さんは「区には、民間のエレベーターにも安全装置の普及を進めるよう取り組んでほしい」と話していました。