台湾 頼総統 軍事演習行った中国に対し交流したい立場示す

台湾の頼清徳総統は、みずからの就任演説に反発して軍事演習を行った中国に対し「地域を安定させる重責を台湾と共同で担うよう呼びかける」と述べ、中国と交流したいという立場を改めて示しました。

台湾の頼清徳総統が今月20日に行った就任演説は、台湾の現状維持を強調し、中国とともに平和と繁栄を追求したいと訴える一方、「台湾は自国の一部だ」という中国側の主張を否定する内容でした。

これに反発した中国は23日から台湾周辺で軍事演習を行い、国営の中国中央テレビの軍事チャンネルが24日夜「首尾よく任務を終えた」と伝えたほか、台湾の国防部も「各レベルの緊急対応センター設置を解除する」と25日発表し、演習は予定どおり2日間で終わったとみられます。

アメリカ国務省のミラー報道官が25日の声明で、演習の実施に「深い懸念」を示し、中国に自制を強く促したほか、日本政府もすでに外交ルートを通じて中国政府に懸念を伝えたことを明らかにしています。

一連の経過について頼総統は26日、報道陣に対し「台湾海峡の平和と安定に対するアメリカや世界各国の揺るぎない支持に感謝する」と述べました。

そして「いかなる国であろうと、台湾海峡で波乱を起こすことを国際社会は受け入れない」としたうえで「地域を安定させる重責を台湾と共同で担うよう中国に呼びかける」と述べ、中国との交流と協力によってともに平和と繁栄を目指したいという立場を改めて示しました。