G7財務相・中央銀行総裁会議が閉幕 中国の過剰生産をけん制

イタリアの北部のストレーザで開かれていたG7=主要7か国の財務相・中央銀行総裁会議は、日本時間の25日夜、閉幕しました。共同声明では、中国の過剰生産の問題についてG7各国の経済的な強じん性を損なうものだとして懸念を表明するなど、G7が一致して中国をけん制する姿勢を示しました。

G7の会議は日本時間の25日夜、2日間の議論を終え、共同声明が公表されました。

この中では、中国メーカーによる電気自動車などの過剰生産について「G7各国の労働者や産業、経済的な強じん性を損なう中国の非市場的な政策や慣行について懸念を表明する」とした上で、「公平な競争条件を確保するための措置を講じることを検討する」として、G7が一致して中国をけん制する姿勢を示しました。

一方、ウクライナ支援に向けて焦点となっていたロシアの凍結資産の扱いについては、ロシアの資産による利子など凍結資産から得られる利益をどう活用するか、来月開かれるG7サミットに複数の案を示せるよう作業を急ぐことで一致しました。

鈴木大臣は現地で記者会見し「『ロシアの行動は、国際法に違反をしているからけしからん』と言っているわけであり、今回の凍結資産の活用も国際法に整合する形で進めなければならないというのが、日本の原則的な立場だ。6月のサミットに向けて首脳に判断材料を与えることができるよう作業を進めていく」と述べました。

今回の会議でG7は、中国の過剰生産の問題で結束する姿勢を示す一方、ロシアの凍結資産の扱いをめぐっては、まだ意見の隔たりもあるということで、サミットに向けてどこまで具体策で歩み寄ることができるかが焦点となります。

共同声明で「為替相場の過度な変動や無秩序な動きが経済や金融の安定に悪影響を与える」というこれまでの合意内容を再確認しました。その上で声明では、「各国や市場との明確なコミュニケーションを通じて、為替相場の変動による負の波及効果を限定するよう努める」としています。