特定外来生物「シロアゴガエル」徳之島で生息拡大か 鹿児島

世界自然遺産に登録されている鹿児島県の徳之島で、特定外来生物の「シロアゴガエル」の生息域が急速に拡大しているとみられることが環境省への取材でわかりました。固有の生態系に悪影響を及ぼすおそれがあるとして対策が急務となっています。

「シロアゴガエル」は東南アジア原産の体長5センチから7センチほどのカエルで、「特定外来生物」に指定されています。

徳之島では去年5月に初めて確認され、駆除が進められてきましたが、この1年余りで駆除された個体はおよそ6200匹、確認された地点も40か所以上に増え、急速に生息域が拡大しているとみられることが環境省への取材でわかりました。

徳之島には固有種の「アマミアオガエル」も生息していて、餌となる昆虫や繁殖場所が奪われる可能性があると懸念されています。

環境省は侵入を防ぐネットを設置したほか、鳴き声を聞いたり、卵の塊を見つけたりした場合は連絡するよう住民に呼びかけています。

「シロアゴガエル」は9年前、世界自然遺産の沖縄県の西表島でも確認され、駆除が進められた結果、4年後に「根絶」が発表されましたが、その後も警戒が続いています。

両生類に詳しい琉球大学の戸田守 准教授は、奄美大島などへの拡大も懸念されると指摘したうえで「とにかく飛び火を許さず、早期発見ができる態勢に近づけていくことがポイントだ。住民が何か変なカエルに気付いたら、いち早く知らせることが対策になると思う」と話しています。