福岡空港のトラブル パイロット指示復唱せず 管制官も指摘せず

今月、福岡空港で日本航空の旅客機が誘導路の停止線を大幅に越えたトラブルで、日本航空機のパイロットは管制官からの指示を復唱せず、管制官も、これを指摘していなかったことがわかりました。復唱などの重要性はことし1月の羽田空港での事故の際にも指摘されていて、国土交通省は23日、航空各社や全国の管制官に対し、改めてルールを徹底するよう通知を出しました。

今月10日、福岡空港で日本航空の旅客機が滑走路手前にある誘導路の停止線を大幅に超えて滑走路に近づき、別の旅客機が急ブレーキをかけ、急きょ、離陸を途中で取りやめるトラブルが起きました。

当時、日本航空機にはパイロットが3人乗り、管制官から停止線の手前で止まるよう指示を受けていましたがそのまま進んでいて、国土交通省が調べたところ、管制官からの指示を復唱していなかったということです。

パイロットは滑走路への進入の許可を得ていると認識していたとみられ、さらに管制官もパイロットが復唱しないことに対し、指摘していなかったということです。

国土交通省によりますと、管制官の指示に対するパイロットの復唱や、パイロットが復唱しなかった場合の管制官の指摘は、航空法でパイロットが確認するよう定めている要領や、管制官の業務マニュアルに記載されているということです。

こうした復唱のルールは、ことし1月に、羽田空港で航空機どうしが衝突した事故の緊急対策でも重要性が指摘されていて、国土交通省は今回のトラブルを受け、23日、改めて航空各社や全国の管制官に対し、ルールを徹底するよう通知を出しました。