「核のごみ」処分地選定 “議論を全国に” 国に求める声相次ぐ

全国の原子力発電所などが立地する市町村でつくる協議会の会合が東京で開かれ、佐賀県玄海町が原発がある自治体として初めて、いわゆる「核のごみ」の処分地選定に向けた調査を受け入れたことを受けて、国に対し議論を全国に広げるよう取り組みを求める声が相次ぎました。

会合には、原発や関連の施設が立地する全国25の市町村のトップなどが出席し、今月、「核のごみ」の処分地選定に向けた調査を原発立地自治体で初めて受け入れた玄海町の脇山伸太郎町長が「町の議会も『議論に一石を投じる』思いで私自身も苦渋の決断だった。国には全国に議論を広げるようお願いしたい」と述べ、処分地の選定が進まない中で、調査を受け入れた背景を語りました。

会合の中では、玄海町に対し敬意を表するという発言や、国に対して議論を全国に広げるための更なる取り組みを求める声が相次ぎました。

また、調査を受け入れた自治体に対する現在の制度の交付金だけでなく、広く地域の利益になる支援制度などを求める意見も出されました。

会議のあと、会長を務める福井県敦賀市の米澤光治市長は「最終処分の問題は立地地域かどうかにかかわらず国全体で議論しなければならない問題なのに、立地地域以外への呼びかけはまだ十分ではないと思うので、国にはしっかりと議論できる環境整備をお願いしたい」と話していました。

玄海町町長「議論に一石投じることができた」

協議会の会合のあと、佐賀県玄海町の脇山町長は「処分地選定に向けた調査を受け入れたことについて、これまでほかの自治体の反応が分からなかったが、きょういろんな自治体の首長の話を聞いて、最終処分地に関する全国の議論に一石を投じることができたのかなと感じた」と話していました。

また、原発などが立地する自治体以外の地域でも議論が波及することに期待を示した上で、脇山町長は「そうした地域に住み、電気を使っている人たちが原発について考えるきっかけになればと思うし、これを機に最終処分地になり得ると思っている自治体に手を上げてほしい」と話していました。