神戸 教員間いじめ対応で市教委の職員が自殺 市に賠償命令

5年前、神戸市の小学校で激辛カレーを強要するなどの教員間のいじめ問題が発覚したあと、対応に当たっていた市の教育委員会の職員が自殺し、遺族が市を訴えていた裁判で、神戸地方裁判所は長時間労働などに適切に対応しなかったとして市に1億2000万円の賠償を命じました。

5年前の2019年、神戸市の公立小学校で発覚した激辛カレーを無理やり食べさせたり暴行したりするなどの教員間のいじめ問題で、対応に当たっていた神戸市教育委員会の30代の男性職員が翌年、自殺し、遺族は長時間労働や、精神的負担で生じたうつ病などに適切に対応しなかったとして市に賠償を求める訴えを起こしていました。

16日の判決で、神戸地方裁判所の島岡大雄 裁判長は「経験のなかった教育委員との窓口として強い負荷があり、精神的な負担が継続していた」と指摘しました。

そのうえで「睡眠薬を飲むなどの追い詰められた状況にあると把握しながら、市は産業医の診察を受けさせるなどの緊急で具体的な措置をとる義務を怠った」として、市に対しおよそ1億2000万円の賠償を命じました。

亡くなった職員の妻は「市の責任が認められ、夫の無念を晴らすことができたと思います。二度とこのようなことが起こらないよう、神戸市には職員の健康管理を徹底してほしいです」とコメントしています。

また、神戸市教育委員会は「職員が亡くなったことは、大変無念に思っている。裁判で主張が認められなかったことは誠に残念で、判決文を精査し適切に対応したい」とコメントしています。