中国政府 台湾次期総統就任を前に「1つの中国」受け入れ迫る

台湾で5月20日に頼清徳次期総統の就任式が行われるのを前に、中国政府の報道官は「台湾は中国の一部だ」とする「1つの中国」の原則を受け入れるよう迫り、頼氏をけん制しました。

台湾では、ことし1月の総統選挙で当選した民進党の頼清徳氏が、5月20日に新しい総統として就任演説を行う予定で、対中国政策の内容に関心が集まっています。

これを前に、中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の陳斌華報道官は、15日の記者会見で「民意に従って平和と発展の正しい道を歩むか、民意に逆らって挑発と対立のよこしまな道を歩むかは、台湾地区の新しい指導者が真剣に向き合い明確に答えなければならない問題だ」と強調しました。

そのうえで、「われわれは『1つの中国』の原則を一貫して堅持し、『台湾独立』と外部勢力の干渉に断固として反対している」と述べ、引き続き台湾統一を目指す考えを示しました。

台湾総統選挙では、当選した頼氏の得票率が40%にとどまったことや、議会・立法院の選挙では、民進党が過半数を維持できなかったことから、中国政府は「民進党は台湾の主流の民意を代表していない」と主張しています。

中国政府としては「台湾は中国の一部だ」とする「1つの中国」の原則を認めていない頼氏に対し、就任を前に、改めて中国側の主張を受け入れるよう迫り、けん制した形です。