欧州の歌謡祭 イスラエルの歌手出場めぐり抗議活動で厳戒態勢

北欧のスウェーデンで開かれているヨーロッパ最大の歌謡祭で、パレスチナのガザ地区への侵攻を続けるイスラエルの歌手の出場をめぐり大規模な抗議活動が繰り広げられ厳戒態勢がとられています。

ヨーロッパなどから各国の歌手が出場する「ユーロビジョン・ソングコンテスト」はことし、スウェーデン南部のマルメで開かれています。

この催しにイスラエルの歌手、エデン・ゴランさん(20)が出場していることをめぐり、現地では環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんなどガザ侵攻に反対する数千人規模の人たちが集まりました。

参加者は「イスラエルの罪を隠すためにユーロビジョンを利用するな」と書かれた横断幕を掲げて行進するなど抗議していました。

参加した女性は「主催者はウクライナに軍事侵攻したロシアの出場を認めていないようにイスラエルも失格にするべきだ。この催しは政治的なものではないという説明はうそだ」と訴えていました。

こうした中、ゴランさんは26か国の代表による11日の決勝への進出を決め、会見で「このステージに立てるのは本当に光栄だし、誇りを持ってイスラエルを代表し、決勝に進めたことは信じられない」と述べました。

ゴランさんの出場をめぐっては、イスラエルのネタニヤフ首相が動画の応援メッセージを公開したことも反発を招いていて、警備当局は抗議活動がさらに激しくなる可能性もあると見て、厳戒態勢をとっています。