ことしのサンマ漁獲量上限 去年比6%減の11万トン余に 農水省

深刻な不漁が続くサンマについて、農林水産省の審議会は、ことしの漁獲量の上限を去年より6%少ない11万トン余りとする案を承認しました。上限を定めて以降、最も少ない量となります。

サンマの漁獲量は、水温の上昇など、海洋環境の変化や中国や台湾の漁船との競争激化などの影響で減少しています。

こうした中、先月開かれた北太平洋のサンマの資源管理を話し合う国際会議では、資源の回復を図るため、加盟国全体の漁獲量の上限を従来より10%少ない年間22万5000トンとすることで合意しました。

この合意を踏まえて、日本の漁獲量の上限が算定され、10日の農林水産省の審議会で、ことしの上限を去年より6%少ない11万911トンとすることが承認されました。

内訳は、日本とロシアのEEZ=排他的経済水域の内側で8万9824トン、公海で2万1087トンで、日本が漁獲量の上限を定めた1997年以降で最も少なくなっています。

ただ、去年1年間の日本のサンマの漁獲量は2万4000トン余りと上限を大幅に下回る水準が続いていて、水産庁の富永温夫漁業交渉官は「漁獲枠は少なくなるが、実際のところはとれてないという状況もあり、漁業への大きな影響はないと思っている。引き続き、適切な資源管理が導入されるよう対応していきたい」と話しています。