インフルエンザ 1医療機関当たりの患者数 流行期の目安下回る

インフルエンザは、5月5日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者の数が1医療機関当たり0.45人となり、およそ1年5か月ぶりに流行期入りの目安とされている「1人」を下回りました。専門家は「コロナ禍にインフルエンザの免疫を持たない人が増えたため異例の状態が続いたとみられる」と話しています。

国立感染症研究所などによりますと、全国およそ5000か所の医療機関から5月5日までの1週間に報告されたインフルエンザの患者数は2199人で、1医療機関当たりでは0.45人となりました。

インフルエンザは1週間の患者数が1医療機関当たり「1人」を超えると全国的な流行期入りの目安とされていますが、おととし12月にこの目安を上回ってからは一度も1人を下回ることがない異例の状態が続き、今回、およそ1年5か月ぶりに「1人」を下回りました。

去年9月4日以降の累積の患者数は、およそ1799万9000人と推計されています。

インフルエンザは「季節性インフルエンザ」とも呼ばれ、通常、秋から冬にかけて流行が始まりますが、新型コロナウイルスが国内で流行し、対策が強化された2020年から2シーズンは流行がみられていませんでした。

日本感染症学会インフルエンザ委員会で委員長を務める倉敷中央病院の石田直副院長は「コロナ禍にインフルエンザの流行がなく、免疫を持たない人が増えたため、一年中、流行期となる異例な状態が続いたとみられる。今シーズンはこれで収束し、秋から冬に再び増えるような季節性の流行に戻るとみられるが、まだ、海外との往来で季節外れの流行が起きる可能性もあり、引き続き注意が必要だ」と話しています。