米政府高官 「ラファ侵攻 ハマスを打ち負かすことにならない」

イスラエル軍がガザ地区南部ラファへの大規模な地上作戦を強行するかが焦点となる中、アメリカ政府の高官は「ラファに侵攻してもイスラム組織ハマスを長期的に打ち負かすことにはならない」と述べ、イスラエル側に改めて自制を求めました。

ガザ地区では、イスラエル軍がおよそ120万人が身を寄せる南部ラファへの大規模な地上作戦を強行するかが焦点となっています。

アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は9日、イスラエルにハマスを壊滅させる別の方法を提案してきたとして「バイデン大統領はこれまで数週間にわたり大規模な地上作戦は支持しないと明確にしてきた。イスラエルは選択しなければならない」と述べました。

そして「ラファに侵攻してもハマスを長期的に打ち負かすことにはならない」と述べ、むしろ交渉ではハマスに有利に働く可能性があるという認識を示し、イスラエル側に改めて自制を求めました。

また、バイデン大統領が大規模な地上作戦が行われればイスラエルに砲弾などの武器を供与しない考えを示したことについて、記者団から武器供与を停止する基準を問われたのに対し、カービー補佐官は明確な回答を避けました。

一方、難航するイスラエルとハマスの戦闘休止などをめぐる交渉については「隔たりは埋まっていない。前進する道はあると信じるが、それには双方のリーダーシップが必要だ」と述べ、予断を許さない状況にあるという認識を示しました。