米CIA長官 再びエジプトへ 停戦交渉打開につながるか焦点

イスラエルとイスラム組織ハマスの間の戦闘休止などに向けた交渉をめぐり、イスラエルを訪れていたアメリカのCIA長官は、再び仲介国エジプトに戻ったと伝えられています。バイデン大統領は、イスラエルがガザ地区南部ラファへの大規模な地上作戦を行った場合、武器を供与しない考えを明らかにしており、こうしたアメリカの対応が停滞する交渉の打開につながるかが焦点です。

イスラエルとハマスの間の戦闘休止と人質解放に向けた仲介国エジプトでの交渉でイスラエル側は「進展の兆しはないが、交渉団はエジプトに残る」としたと伝えられています。

一方、ハマス側は「イスラエルは交渉に真剣ではない」と批判し交渉は難航しているとみられています。

イスラエルのメディアは8日に、CIA=中央情報局のバーンズ長官とネタニヤフ首相らが会談し、この中で、イスラエル側は、ハマスが受け入れたとする提案について「すべてのレッドラインを越えていて受け入れられない」と伝えたと報じています。

その後、バーンズ長官は、再びエジプトに戻ったとアメリカのCNNテレビが伝えました。

また、バイデン大統領は8日、CNNテレビとのインタビューでイスラエルがガザ地区南部ラファへの大規模な地上作戦を行った場合、砲弾などの武器を供与しない考えを明らかにしました。

去年10月にガザ地区で戦闘が始まって以来、バイデン大統領が公にイスラエルへの武器支援の停止に言及したのは初めてで、こうした対応が停滞する交渉の打開につながるかが焦点となっています。

一方、避難者など120万人が身を寄せるラファでは、イスラエル軍が住民に退避を通告した東部以外でも攻撃が相次ぎ、地元メディアは、西部にある住宅が空爆され子どもを含む8人が死亡したと伝えていて、犠牲者の数は3万4904人となったと地元の保健当局が発表しました。

UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は、イスラエル軍によるラファでの軍事作戦の強化で、およそ8万人が新たに避難を余儀なくされ、どこにも安全な場所はないなどとしていて、人道状況は悪化の一途をたどっています。