能登半島地震 研究者ら “帰省や旅行先での事前の備えを”

能登半島地震の教訓を災害が起きた際に生かそうと、東北大学の研究者らが報告会を開き、長期的な心のケアや、帰省や旅行の際に事前に備えをしておくことの重要性などを訴えました。

東北大学の災害科学国際研究所では、ことし1月に起きた能登半島地震から教訓を得るとともに復興を後押ししようと、被害状況や住民の避難行動、それに復興に向けた課題などの研究を続けています。

8日はオンラインで報告会を開き、13の研究グループが報告を行いました。

このうち、災害時の精神医学を研究している國井泰人准教授は、災害派遣精神医療チーム=「DPAT」の一員として現地で活動した経験をもとに、被災者の心のケアについて報告し、今後、年単位での長期的な支援が必要になると説明しました。

また、住民の避難行動を研究している佐藤翔輔准教授らの研究グループは、帰省や旅行中に被災した人がどのような行動を取ったのか調査した結果を発表しました。

調査に回答した966人のうちおよそ35%の人が避難せず、このうち17%は避難先が分からなかったことを理由にあげたということです。

佐藤准教授は、災害はいつ、どこで起きるか分からないとして帰省や旅行先での避難先を事前に確認しておくことが必要だと強調していました。