石川 珠洲 老舗旅館 再開めど立たずも隆起した海岸の活用検討

能登半島の先端にあり、絶景が人気を集めていた石川県珠洲市の老舗旅館は、能登半島地震による施設被害が長期化するなどして営業再開のめどが立っていません。こうした中、地震で隆起した海岸を新たな名所にできないか、取り組みを進めています。

珠洲市三崎町寺家にある老舗旅館は、創業が16世紀とされ、海岸の絶景が人気を集めてきました。

能登半島地震で従業員67人のうち、62人が住む家を失ったほか、下水処理施設も壊れたため、宿泊客の受け入れを再開するめどは立っていないということです。

こうした中で、注目したのは今回の地震で大規模に隆起した海岸です。

海岸の岩は、もともと黒いものでしたが、地震によって2メートル前後隆起して、海中にあった白い部分が見えるようになり、地震による地殻変動を感じることができる場所になったといいます。

旅館は、こうした地形を地域の名所として活用できないか検討を進めていて、大型連休に土産物店をオープンさせ、地元の塩などの特産品も販売しています。

また、夏をめどに旅館の建物を日中、開放することも考えています。

「ランプの宿」の刀禰秀一社長は「能登半島はもともと景勝地で、地震のあと、今までになかった景色になった場所も多くあります。新たな魅力を伝えて観光の面から能登を支援していきたいです」と話していました。