トランプ前大統領の機密文書めぐる初公判の延期 裁判所が発表

トランプ前大統領の機密文書をめぐる裁判で裁判所は5月に予定していた初公判を延期すると発表しました。新たな期日は設けられておらず、大統領選挙への悪影響を回避したいトランプ氏にとって有利に働く可能性もあります。

アメリカのトランプ前大統領は、核兵器や軍の能力に関する情報など、最高機密を含む文書を不正にフロリダ州の自宅で保管していたとして、スパイ防止法違反の罪などに問われています。

フロリダ州の連邦地方裁判所は、5月20日に初公判を予定していましたが、7日に、初公判を延期すると発表しました。

その理由として裁判所は、機密情報を証拠として扱うための手続きが多くあり、その前に公判期日を確定するのは軽率だと判断したと説明しています。

新たな期日は設けられていません。

ことし11月の大統領選挙で返り咲きを目指すトランプ氏は、選挙戦と並行して合わせて4つの刑事裁判を抱えています。

ただ、今回の裁判以外の2つの裁判も初公判が延期されるなど、公判手続きが遅れていて、アメリカメディアは、選挙前としては不倫の口止め料をめぐって業務記録を改ざんした罪に問われているものだけになる可能性が高まったと伝えています。

今回の裁判の延期は、大統領選挙への悪影響を回避したいトランプ氏にとって有利に働く可能性もあります。