群馬 安中の住宅強盗 裏手ドアのガラス割り押し入ったか

8日未明、群馬県安中市の住宅に2人組の男が押し入り、70歳の男性を脅して軽いけがをさせたうえ現金が入った財布を奪って逃げました。捜査関係者によりますと住宅裏手のドアのガラスが割れていたということで、警察はこのドアから2人組が押し入ったとみて強盗傷害事件として捜査しています。

警察によりますと、8日未明、安中市松井田町の平屋の住宅に2人組の男が押し入り寝ていた70歳の男性に刃物を突きつけて脅したうえ腕を粘着テープで縛りました。

2人組は現金などが入った財布を奪って逃げ、男性は腕に軽いけがをしたということです。

捜査関係者によりますと住宅の裏手にあるドアのガラスが割れていることが確認され2人組はこのドアから押し入ったとみられるということです。

寝室は当時、暗い状態だったことなどからこれまでのところ2人組の特徴はわかっていません。

警察は被害金額やほかに奪われたものがないかなどの特定を進めるとともに強盗傷害事件として逃げた2人組の行方を捜査しています。

一方、先月30日には栃木県日光市で、今月6日には長野県松本市で、いずれも住宅に2人組の男が押し入る強盗事件が起きていて、警察は2つの事件との関連についても調べることにしています。

近くに住む70代男性「治安が不安だ」

近くに住む70代の女性は「こんな近くで犯罪があり怖いと思った。ごみ出しなどに出るときも鍵を必ずかけて戸締まりしようと思う」と話していました。

また、近くに住む70代の男性は「田舎でもこんな事件があり驚いた。今の時代はどこでもねらわれてしまうので治安が不安だ」と話していました。

事件後に被害者の男性と会話したという親族の50代の男性は「けがはしていたが元気そうだった。本人は『殺されるかと思った』と言っていた」と話していました。

一軒家ねらう2人組の強盗相次ぐ 関連も調査

大型連休の期間中から関東地方と長野県で一軒家がねらわれる2人組による強盗などの被害が相次いでいます。

栃木県日光市では先月30日の午前0時ごろ2人組の男が住宅に押し入り、寝ていた75歳の男性を「金を出せ」と脅しました。

男性が拒むと2人組は手足をネクタイで縛って家の中を物色し、現金3万4000円が入った財布やキャッシュカードが奪われました。

また、今月6日の午前2時ごろには松本市の住宅にも2人組の男が押し入り50代の男性に刃物のようなものを突きつけて「金を出せ」と脅したうえ現金10数万円を奪って逃げました。

男性は縛られていて、脇腹の痛みを訴えているということです。

そして8日未明には群馬県安中市の住宅に2人の男が押し入り70歳の男性に刃物を突きつけて脅し腕を粘着テープで縛って財布などを奪って逃げました。

各地の警察によりますと被害に遭ったのは、いずれも山あいにある隣の民家とは距離がある住宅で、付近に防犯カメラなども少ないエリアだということです。

また、午前0時ごろから午前2時ごろにかけての未明の時間帯に起きていて、いずれも被害者は粘着テープなどで縛られていました。

各地の警察は強盗傷害事件や強盗事件として捜査するとともに、関連についても調べることにしています。

専門家 基本的な対策 徹底を

相次ぐ戸建ての住宅がねらわれる強盗事件について長年にわたって個人宅などに防犯対策を支援してきた防犯アドバイザーは家にいるときも鍵をかけるなど戸締まりを徹底したうえで、犯人に入りにくいと感じさせる環境作りが重要だと指摘しています。

防犯アドバイザーの京師美佳さんによりますと、山あいの集落などでは、鍵をかけない家も少なくないとして家にいるときでもドアや窓に鍵をかけるなど戸締まりをしっかり行い、基本的な対策を徹底してほしいということです。

その上で強盗の犯人は音や光、人の目に加え時間がかかる行動を嫌がる傾向があり、この4点に重点を置いて防犯対策を進めることが効果的だと指摘しています。

具体的には防犯カメラやセンサーライトは犯人に押し入ることを思いとどまらせる効果があるほか、防犯カメラを設置していることを示すステッカーを貼ることも有効だということです。

さらに、窓ガラスに専用の防犯フィルムを貼って割れにくくすることも侵入に時間がかかるため犯人のターゲットになりにくくなるとしています。

また、手軽な対策として玄関先にプランターなどを置いてガーデニングを行うことも周囲の目が集まることを嫌う強盗犯を遠ざける工夫として有効的だということです。

京師さんは「被害に遭う側が対策を取らなければならない点は理不尽なことだが、命に関わることなので、自分の身は自分で守るということを徹底してほしい」と呼びかけています。