プーチン大統領 通算5期目の就任式へ 2030年まで6年間

ロシアでは7日、プーチン大統領の通算で5期目となる就任式が行われ、新たな任期が始まります。プーチン大統領はウクライナへの軍事侵攻や対立を深める欧米諸国への対応などを引き続き最優先の課題に位置づけ、政権運営にあたるとみられます。

ロシアでことし3月に行われた大統領選挙でプーチン大統領が勝利したことを受けて、プーチン氏の通算で5期目となる就任式が7日、首都モスクワのクレムリンで行われます。

プーチン氏は2000年にロシアの大統領に就任し、首相時代も含めて20年以上にわたり、ロシアで実権を握り続けていますが、新たに2030年までの6年の任期が始まることになります。

プーチン大統領はウクライナへの軍事侵攻や対立を深める欧米諸国への対応とともに、国内の統制を強化し、政権基盤を安定させることなどを引き続き最優先の課題に位置づけ、政権運営にあたるとみられます。

プーチン大統領は6日、閣僚たちを集めた会議を開き、「敵はロシアを政治的にも経済的にも内部から破壊しようとしたが成功しなかった」と主張し、政権内の結束によって欧米側に対抗できたとしてこれまでの協力に謝意を示しました。

プーチン大統領は新たな内閣を発足させますが、ロシアのメディアは戦時体制下のため多くの主要閣僚を留任させるのではないかと伝えています。

プーチン大統領は、就任式に続いて9日は第2次世界大戦の戦勝記念日の式典で演説する予定で、新たな任期の始まりで行われる演説の内容が焦点となっています。

ウクライナ外務省「正当な大統領だと認める法的根拠はない」

プーチン大統領の就任式を前にウクライナ外務省は6日声明を出し、正当な手続きで選ばれた大統領ではないと非難しました。

声明では、ロシアが占領したウクライナの領土で行われた3月のいわゆる「選挙」は国際法に違反し、数百万人のウクライナ人に対して脅迫、恐喝、そして強要を伴うものだったとしています。

そして「ウクライナは彼を正当な大統領だと認める法的根拠はないと考えている」と指摘した上で「各国や国際機関、一般市民に対し、偽の選挙結果とロシアの独裁者、ウラジーミル・プーチンを正当な大統領と認めないよう求める」と呼びかけました。