藤井八冠敗れる タイトル独占維持 あとがない状況 叡王戦第3局

将棋の八大タイトルの1つ「叡王戦」五番勝負の第3局が名古屋市で行われ、挑戦者の伊藤匠七段が藤井聡太八冠に勝ち、初めてのタイトル獲得に王手をかけました。一方、藤井八冠は1勝2敗となりタイトル独占の維持にあとがない状況になりました。

4連覇を目指す藤井八冠に同い年の伊藤七段が挑む「叡王戦」五番勝負は、2日、名古屋市のホテルで第3局が行われ、藤井八冠の先手で午前9時に始まりました。

対局は、終盤、両者とも持ち時間を使い切って、1手を60秒未満で指す「1分将棋」となる中、伊藤七段が次第に優勢に持ち込む展開となり、午後6時43分、146手で藤井八冠を投了に追い込みました。

これで2勝1敗として、自身初のタイトル獲得に王手をかけた伊藤七段は、対局のあと「負けそうな気がしていましたが、1分将棋になってからこちらにも勝つ手段がありそうな気もしていました。課題が残る内容だったので、しっかりと振り返って第4局に臨みたいと思います」と話していました。

一方、藤井八冠は、「中盤から終盤に入るあたりは何か勝つ手段があってもおかしくなかったと思うので、間違えてしまったのは課題が残ります。角番にはなってしまいましたが、やることは変わらないので、第4局もしっかり準備して頑張りたい」と話していました。

藤井八冠は、現在、タイトル戦21連覇中で、タイトルの防衛に1敗もできない「角番」に追い込まれるのは初めてです。

次の第4局は5月31日に千葉県柏市で行われる予定です。