山梨県の富士河口湖町にあるコンビニ周辺では、店舗の上に富士山が乗ったような写真が撮影できるとSNSで話題になり、多くの外国人観光客が訪れています。
“コンビニ越しの富士山”危険 迷惑行為対策 黒い幕の設置工事
コンビニ越しに富士山を撮影できると外国人観光客に話題になっている山梨県富士河口湖町の店舗周辺で危険な行為や迷惑行為が後を絶たないことから、町は富士山を見えなくする黒い幕などの設置工事を進めています。
しかし、撮影のために交通量が多いコンビニ前の道路を横断する危険な行為や、周辺の私有地に無断で入る迷惑行為などが後を絶たないことから、道路を管理する町は、地域住民の声を受けて、富士山を見えなくするため、4月30日から歩道沿いに長さ20メートル、高さ2.5メートルの黒い幕や、横断を防ぐ柵を設置する工事を進めています。
柵の設置は近く終わる予定で、幕の設置は5月中旬ごろになる見通しだということです。
オーストラリアから訪れた男性は「安全ではないので、町が景色を隠そうとするのは当然です。ただ、それでも観光客は来ると思います」と話していました。
町内の男性は「よく使う道だったが、今は観光客が多いので避けるようにしている。幕の設置だけでは解決できないと思う」と話していました。
また、近所に住む男性は「道路の真ん中で写真を撮る人もいるし、いたちごっこになると思う。幕を張るのではなく、観光客にルールを理解してもらいたい」と話していました。
町は「工事は苦渋の決断だった。観光客の分散につながると期待している」としています。
コンビニの向かいにある歯科医院は
コンビニの向かいにある歯科医院は、ホームページに現状や町の対策について見解を掲載しました。
それによりますと、これまでは患者に迷惑がかからなければよいとして、敷地内での撮影を許容していましたが、タクシーや大型バスの乗り入れなどによって患者が駐車できなくなり、通院できない事例が多発したということです。
また、ゴミの放置や喫煙、駐車場での食事などの迷惑行為が相次ぎ、注意しても罵声を浴びせられたりたばこを捨てられたりしたということです。
ほかの外国人観光客が押し寄せ、「言っても言ってもらちがあかず、打つ手なしの状態」だとして、オーバーツーリズムへの対策が追いついていない現状を訴えています。
このため、歯科医院も含む地元住民が町に対策を要望したということです。
そのうえで、「幕によって敷地のスペースを失い、景観も損なわれるのは残念ですが、いつ事故が起きても不思議ではなく、考えられないマナーモラル違反や不法行為に対して、やむをえない対策と考えています」とコメントしています。