輪島 営業再開の「移動スーパー」 被災した高齢者など見守る

能登半島地震で被災した石川県輪島市で、いわゆる「買い物弱者」を支援する「移動スーパー」が先月営業を再開し、地震で生活が一変した住民を見守る役割を担っています。

この活動は、住んでいる地域に商店が少なく、車で移動できない高齢者など、いわゆる「買い物弱者」のため、トラックで巡回して食料品などを販売する輪島市の会社が取り組んでいます。

地震で大規模な火災が起きた「朝市通り」にあった事業所と移動販売車が焼けましたが、会社では被災した高齢者を支えようと新たにトラックを用意し、先月営業を再開しました。

2日は販売員の堂前浩仁さんが仕入れた刺身や総菜などを積み、市の中心部から20キロ近く離れた輪島市門前町の鹿磯地区に向かいました。

訪れた先ではいつも利用しているというお年寄りが買い物をしながら避難所での暮らしぶりなど会話を楽しんでいました。

買い物に訪れた橋本光子さん(78)は「今まで買っていたスーパーがなくなってしまったのでうれしいです」と話していました。

堂前さんは利用客全員の顔と名前を覚え、会話の内容を記録して見守りにつなげているということで、「皆さんの顔を見て安心しました。物を売るだけでなく、会って会話をして、少しでも元気になってほしい」と話していました。

「移動スーパー」は平日、希望する利用者の自宅や仮設住宅などを巡回するということです。