石川 輪島 全壊判定の3階建て建物が倒壊 公費解体の申請中に

能登半島地震で被災した石川県輪島市で先月(4月)28日、全壊の判定を受けていた3階建ての建物が倒壊しました。公費での解体を市に申請していたということで、住民からはほかの建物についても早急な対応を求める声が上がっています。

先月28日午後6時半ごろ、輪島市鳳至町下町にある3階建ての建物が突然倒壊しました。

目撃者が撮影した映像では、地震で傾いた建物がきしむ音に続いて大きく崩れ落ち、路上にはがれきが飛び散り、土煙が上がっています。

所有者の親類の男性によりますと、建物は地震で全壊の判定を受け、輪島市が先月から受け付けを始めた公費での解体を申請していたということです。

男性は「余震のたびに少しずつ傾いていったのだと思う。誰もけがをしなくて本当によかったです」と話していました。

この地域では倒壊のおそれがある建物がほかにもあり、住民からは人的な被害が出る前に公費での解体を急ぐよう市に求める声が上がっています。

倒壊の瞬間を目撃した近所の男性は「建物が崩れる少し前まで家の前で車から荷物を下ろしていたので時間がずれていたらと思うと本当に怖いです。隣の家も同様に傾いていてミシミシと音がしているので、子どもは夜1人で眠れないと言っています」と話していました。

また、自宅が倒壊寸前だという別の男性は、「2月の終わりごろには緊急の公費解体を市に申請したが、地震から4か月がたつ今も何も変わっていない。取り返しのつかないことになる前に早く対応してほしい」と訴えていました。