フィリピン“南シナ海で船が中国海警局から放水銃による被害”

フィリピン政府は、中国と領有権を争う南シナ海でフィリピンの船が中国海警局の船などから放水銃による被害を受けたと発表し、中国側は反発しています。

フィリピン当局は4月30日朝、ルソン島から西に200キロ余り離れた南シナ海にあるスカボロー礁と呼ばれる岩礁の周辺で、フィリピンの船2隻が中国海警局の4隻の船から妨害されたと発表しました。

妨害を受けたのは、フィリピン漁船の支援活動にあたっていた漁業水産資源局の船と沿岸警備隊の巡視船だということです。

フィリピン側が公開した映像には、中国海警局の2隻の船が、フィリピンの巡視船を挟み込んで両側から放水銃で水をあびせる様子が映っていて、放水された巡視船は、操だ室や手すりなどが損傷する被害を受けたということです。

また、漁業水産資源局の船は少なくとも8回の放水を受けたほか、衝突も3回されたと主張しました。フィリピン国家安全保障会議はスカボロー礁は自国の排他的経済水域の内側にあると主張して、中国側を非難しました。

これに対し、中国外務省の林剣報道官は30日の記者会見で、スカボロー礁の中国名の「黄岩島」という呼び方を使って「島は中国固有の領土だ。フィリピン側は挑発的な行為を直ちにやめ、中国の主権を守る確固たる決意に挑戦しないよう忠告する」と反発しました。