NATO事務総長 “欧米諸国は約束した軍事支援を速やかに”

NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は、訪問先のウクライナで記者会見しウクライナへの軍事支援の停滞がロシア軍の前線での進軍を許したとした上で、欧米諸国は、約束した軍事支援を速やかに実施する責任があると強調しました。

NATOのストルテンベルグ事務総長は29日、ウクライナの首都キーウでゼレンスキー大統領と会談しました。

会談後の記者会見で、ゼレンスキー大統領は、アメリカなどから約束された追加の軍事支援について「わが軍へのタイムリーな支援という点では私はまだ何も前向きなものは見ていない。物資の供与はわずかに始まっているが、これを加速させる必要がある」と述べ、支援の早期の実施を求めました。

これに対しストルテンベルグ事務総長は、軍事支援が停滞したことで、ウクライナ軍が弾薬不足となり、ロシア軍の前線での進軍を許したとの認識を示しました。

そのうえで「いま、より多くの支援が送られているところで、ウクライナの勝利のためにはまだ手遅れではない。われわれの責任は、供与すると発表された武器や弾薬を一刻も早く、実際に届けられるようにすることだ」と述べ、欧米諸国は、約束した軍事支援を速やかに実施する責任があると強調しました。

ウクライナ軍は、深刻な弾薬不足や防空システムのミサイル不足を背景に、東部の前線でロシア軍の進軍を許すなど厳しい状況が続いていて、欧米側の支援がいかに迅速に届けられるかが焦点となっています。