大相撲夏場所 番付発表 大の里が小結に昇進 所要6場所で新三役

5月12日に始まる大相撲夏場所の番付が発表され、新入幕から2場所連続で11勝を挙げた23歳の大の里が小結に昇進しました。
幕下付け出しの力士では昭和以降2番目に早い、所要6場所での新三役昇進となりました。
大の里は会見を行い「優勝が夢から目標に変わってきた。いよいよこれからという気持ちだ」と意気込みを述べました。

大の里は2年連続でアマチュア横綱に輝くなど、学生時代の実績から幕下10枚目格付け出しとして、去年の夏場所で初土俵を踏みました。

身長1メートル90センチを超える体格を生かして前に攻める相撲を持ち味に、新入幕を果たしたことし1月の初場所からは2場所連続で11勝を挙げ、5月行われる夏場所では西の小結となり、新たに三役に昇進しました。

幕下付け出しの力士で初土俵から所要6場所で新三役となるのは平成26年の九州場所で関脇に昇進した逸ノ城の所要5場所に次いで昭和以降では2番目に早い記録です。

また、先場所、新入幕力士として110年ぶりの優勝を果たした25歳の尊富士は番付を11枚上げて東の前頭6枚目となりました。

そして、3年前に新型コロナウイルスのガイドライン違反で、6場所出場停止の処分を受けて大関から陥落し、一時は三段目まで番付を落とした朝乃山が東の小結となり、三役に返り咲きました。

このほか、先場所、小結で9勝6敗と勝ち越した阿炎が2年ぶりに関脇に復帰しました。

一方、4人の大関のうち、先場所、5勝10敗と負け越した霧島は西の大関に移り、負け越せば大関から陥落する角番で迎えます。

新入幕は2人で、4年前に「学生横綱」に輝いたモンゴル出身の欧勝馬と、27歳の時疾風です。

大相撲夏場所は、5月12日に東京・両国の国技館で初日を迎えます。

新小結 大の里「優勝が夢から目標に変わってきた」

大相撲夏場所で新たに小結に昇進した大の里は、茨城県の二所ノ関部屋で会見し、「朝から番付が出るのを楽しみにしていた。自分の名前が小結のところにあって名前が大きくなっていた。三役に上がったことを実感した」と喜びを語りました。

会見には30日朝に結ったばかりだという初めてのちょんまげ姿で現れ、「まだ慣れないが、いよいよこれからという気持ちだ。初場所と春場所を戦って優勝が夢から目標に変わった」と意気込みを述べました。

そして、地元が1月の震災で被災したことにふれ、「自分が場所で勝つことが一番大きなことだと思うので一番一番集中して頑張りたい」と話しました。

また、師匠で元横綱 稀勢の里の二所ノ関親方は「このタイミングで三役に上がるとは思っていなかった。まだ通過点で上の番付もあるので稽古に精進してほしい」と期待を寄せました。

一方、大の里が同じ部屋の未成年の力士と酒を飲んだとして、日本相撲協会から大の里とともに厳重注意の処分を受けたことについては「大変お騒がせして申し訳ありませんでした。今後は大の里を相撲道にまい進させていただきます」と謝罪しました。

大の里も「たくさんの方に迷惑をかけてしまった。もう1度土俵の上で自分の姿を見せていきたい」と反省のことばを述べました。

新入幕の欧勝馬「三賞を取ってみたい」

鳴戸部屋の欧勝馬はモンゴル出身の27歳。西の十両4枚目で臨んだ先月の春場所は11勝4敗の好成績を残し、来月12日に初日を迎える夏場所の番付では西の前頭14枚目で新入幕を果たしました。

東京・墨田区にある鳴戸部屋で記者会見した欧勝馬は「うれしい、やっと幕内に上がれた。十両に上がったあと、すぐに幕内に上がりたいと思っていたが、思ったよりも長くかかった」と話しました。

17歳の時にともに来日した大関 豊昇龍からは「対戦を楽しみにしている」と言われたということで、「1度も対戦したことがないので、やってみたい」と話していました。そして、来月の夏場所に向けて、「勝ち越したいし、10番以上勝って三賞を取ってみたい」と意気込んでいました。

元大関 琴欧洲の鳴戸親方にとっては部屋で初の幕内力士の誕生ということで「素直にうれしい。けがは何回もあったが、真面目にこつこつとやってきた。下を見るのではなく、上を見て頑張ってほしい」と話していました。

新入幕の時疾風「ふた桁勝って技能賞を取りたい」

大相撲夏場所で新入幕を果たした時津風部屋の時疾風は宮城県栗原市出身の27歳。先月の春場所では東の十両筆頭で8勝7敗と勝ち越し、30日発表された来月の夏場所の番付では東の前頭15枚目で新入幕を果たしました。

宮城県出身の新入幕は平成9年春場所の五城楼以来、27年ぶりです。

時疾風は、東京・墨田区にある時津風部屋で記者会見し「やっとここまで来たかという思いだ。もっと早く幕内に来たかったがその分、下でいい経験ができた」と初土俵から5年あまりでの昇進について率直な思いを話しました。

そして、夏場所に向け「同年代が多いので、その人たちと対戦したい。ふた桁勝って、技能賞を取りたい」と意気込みを述べました。

さらに1つ年下の女性と今月8日に結婚したことも明らかにし、「芯がしっかりしていて、支えてもらっている。これからはもっと頑張らないといけない」と気持ちを新たにしていました。

師匠で元幕内 土佐豊の時津風親方は「少し足踏みもしたが、基礎をしっかりやっているし、今の相撲を磨いていけばいい。もっと上もあるし、三役を目指してほしい」と期待を寄せました。