タイタニック号 遺品のバイオリンケース オークションで落札

イギリスの豪華客船タイタニック号が沈没した際、乗客を落ち着かせるために最後まで演奏を続けたことで知られる楽団のリーダーのバイオリンケースがイギリスでオークションにかけられ、日本円で5700万円余りで落札されました。

イギリスで27日、オークションが開かれ、1912年に氷山に衝突し、沈没した豪華客船タイタニック号にまつわる品々が出品されて、次々と落札されました。

このうち、タイタニック号に楽団のリーダーとして乗っていたウォレス・ハートリーさんの革製のバイオリンケースは、イギリスの公共放送BBCによりますと29万ポンド、日本円で5700万円余りで落札されました。

当時33歳だったハートリーさんが率いた楽団は、船が沈没しつつある中、パニックになった乗客を落ち着かせようと、船のデッキに残り、最後まで演奏を続けたとして知られています。

オークション会社によりますとケースはハートリーさんに婚約者が贈ったものだということで、「W.H.H.」と、ハートリーさんの名前の頭文字が記されています。

船の沈没後、ハートリーさんの遺体は、バイオリンが入ったケースを体にくくりつけた状態で見つかり、ケースを浮き具代わりに使ったとみられています。

ケースは婚約者に返還されたあと、さまざまな人の手を渡ってきたということで、科学的な分析で本物と確認されて、オークションに出品されたということです。