【随時更新】ハマスがエジプトと協議へ 米国務長官も中東訪問

ガザ地区の戦闘の休止や人質の解放に向けた交渉も進められていて、29日にはイスラム組織ハマスの代表団が仲介役のエジプトと協議すると報じられているほか、アメリカのブリンケン国務長官も中東を訪問するなど、働きかけを強めています。

※中東情勢に関する日本時間4月29日の動きを随時更新してお伝えします。

“イスラエル軍が南部ラファを空爆 22人が死亡”

イスラエル軍は、ガザ地区南部のラファに空爆を行っていて、パレスチナのメディアは、住宅3棟が爆撃され、少なくとも22人が死亡したと29日伝えています。

ガザ地区の保健当局によりますとこれまでの死者は、3万4488人に上ったということです。

イスラエルは、多くの避難者を含めおよそ120万人が暮らすラファへの地上作戦に向けて準備を行っています。

イスラエル 合意成立すれば地上作戦を見合わせるとの立場示す

一方、エジプトなどの仲介で、イスラム組織ハマスと戦闘の休止や人質の解放に向けた交渉も進めていて、合意が成立すれば地上作戦を見合わせるとの立場を示しています。

イスラエルのメディアによりますと、交渉では第一段階として、ハマス側にとらわれている人質33人を解放する案が検討されているということで、29日にはハマスの代表団がエジプトを訪れ、協議すると報じられています。

バイデン大統領 ネタニヤフ首相と電話会談で戦闘休止など交渉

アメリカ・ホワイトハウスは28日、バイデン大統領がネタニヤフ首相と電話で会談したと発表しました。

このなかで、イスラエルとイスラム組織ハマスの間で行われている、ガザ地区での戦闘の休止と人質の解放に向けた交渉について検討が進められたということです。

さらに、イスラエル軍がガザ地区での今後の作戦計画を承認し、ラファへの地上作戦の準備を進めているとみられる中、バイデン大統領は、自身の立場を改めて明確にしたということです。

バイデン大統領はこれまでも地上作戦の実施に深い懸念を示していて、今回の会談でもそうした懸念を伝えたものとみられます。

米国務長官も中東を訪問 働きかけを強める

アメリカのブリンケン国務長官も関係国と協議するため、サウジアラビアを訪れていて、このあとヨルダンやイスラエルも訪問する予定で、働きかけを強めています。

ホワイトハウスのカービー大統領補佐官はABCテレビのインタビューで「ハマスは交渉を完全に拒否したわけではない。イスラエル側からの提案を検討中だ」と述べた上で「交渉がまとまれば、6週間、ガザ地区で南部ラファを含め戦闘が止まる。その後、それが長く続くことを期待している」と述べ、恒久的な停戦を目指す考えを改めて示しました。

一方で、ガザ地区で深刻な人道状況が続くなか、アメリカが海からの食料などの搬入に使う仮設のふ頭の建設を始めていて、イスラエル軍は27日、その建設現場だとする映像を公開しました。

イスラエル軍はアメリカ中央軍などとともに準備を進めているとしていて「人道支援物資を増やすために全力を注いでいる」とアピールしていますが、WFP=世界食糧計画はガザ地区北部で住民の70%が壊滅的な飢餓に直面しているとみられると懸念を示すなど、食料支援が急務になっています。