ドジャース 大谷翔平 7号ソロ チームは5連勝【一問一答も】

大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が26日、ブルージェイズ戦で3試合ぶりとなる今シーズン7号の先制ソロホームランを打ち、チームの5連勝に貢献しました。

記事後半では試合後の大谷選手の一問一答もお伝えしています。

今シーズン7号となる先制ソロホームラン

ドジャースはこの日から相手の本拠地トロントでブルージェイズとの3連戦が始まり、前の試合で連続試合ヒットが「9」で止まった大谷選手は2番・指名打者で先発出場しました。

大谷選手は1回の最初の打席でインコースのスライダーを引っ張って右中間に運び今シーズン7号となる先制ソロホームランを打ちました。

大谷選手のホームランは3試合ぶりで、高々と上がった打球を持ち前のパワーでスタンドまで運びました。

ノーアウト二塁の場面で迎えた3回の第2打席は、フォアボールを選んでチャンスを広げ、後続のバッターのタイムリーヒットで大谷選手が追加点のホームを踏みました。

ドジャースはこの回、打線がつながって7対0と大きくリードを広げ、再びまわってきた大谷選手の第3打席は2アウト二塁とチャンスが続く場面でしたがファーストゴロに倒れました。

5回の第4打席はピッチャーゴロ、7回の第5打席はセカンドゴロに倒れ、チームが大量リードして迎えた9回は相手の野手がマウンドに上がったこともあって代打が送られました。

大谷選手はこの試合4打数1安打1打点、フォアボールが1つで打率は3割5分4厘となりました。

試合は、ドジャースが12対2で大勝し5連勝です。

ブーイングと同じぐらいの歓声

移籍先として名前が挙がっていたブルージェイズの本拠地、トロントで今シーズン初めての試合に臨んだ大谷選手。大ブーイングの中で迎えた最初の打席で、今シーズン7号となるホームランを打ち、ファンからはブーイングと同じぐらいの歓声が送られました。

ドジャースへの移籍が決まる前、大谷選手の有力な移籍先候補の一つとして名前が挙がっていたのがブルージェイズで、大谷選手も実際に球団と面会していたことを明かしています。

去年12月のドジャース移籍が決まる直前には一部メディアが「大谷選手がプライベートジェットでトロントに向かった」などと誤った情報を伝えたことも大きな話題となりました。

こうした経緯もあって、今回の移籍後初めてとなるトロントでの試合は大きく注目され、大谷選手も24日に「トロントのファンに気まずい気持ちはあるか」と記者に問われると「トロントに行った行かないの報道については僕がいちばんびっくりしていた。すばらしい球団だなというのは、個人的にも感じてはいたし、ファンも含めて街も好きなのでプレーすることをすごく楽しみにしている」と話していました。

カナダのスポーツ専門メディア「スポーツネット」は試合を前に「効果はないと思うけど、そうしたいのなら彼にブーイングをしたらいい」とファンに呼びかける記事を掲載するなど、多くの注目を集める中で、この日の対戦を迎えていました。

その第1戦の最初の打席で、大谷選手がバッターボックスに入ると、会場のファンからは予想どおり大きなブーイングが起きました。

それでも大谷選手が3球目のスライダーを右中間スタンドに運ぶと、会場からはブーイングと同じぐらいの歓声が送られていました。

大谷 ブーイングに「びっくりはしなかった」

大谷選手の今シーズン第7号は、移籍先の有力候補にあげられていたブルージェイズのファンから大きなブーイングを浴びる中での一打となりました。

これについて大谷選手は「びっくりはしなかった。自分のチームが好きだからこそ相手の選手へブーイングすると思うので、そういう熱量は野球が好きなんだなと、逆にリスペクトに感じるところだ。僕がブルージェイズのファンだったらふつうにブーイングすると思うし、それも野球の一環だと思う」と冷静でした。
そのうえで「ファンが楽しいのがいちばんだと思うので、気にしてもらえるだけ選手にとってはいいと思う。多くのファンの前でプレーすることは自分にとってとてもエキサイティングなことだ」と満員の4万人近いファンが力になったと話しました。
また、チームメートやロバーツ監督とひんぱんにベンチ内などで笑顔でことばを交わしていることについては、元通訳の違法賭博をめぐる問題を念頭に「最初の1か月が1か月だっただけに、僕としては気にしないでほしいというか、そこは自分で処理すればいいと思っている。むしろ笑いに変えるくらいのコミュニケーションというか、冗談も言い合える雰囲気がありがたい」と仲間への感謝を口にしていました。
そして、次の27日は高校の先輩の菊池雄星投手がブルージェイズの先発に予定されていることについては「僕らにとってもそうだが、学校もそうですし、教えてもらった先生たちや、そういう方々にとって楽しみなことだと思う」と話していました。

ロバーツ監督 “大谷から「並んだぞ」と声かけられた”

大谷選手がドジャースで7本目のホームランを打ったあと、ロバーツ監督は大谷選手から「並んだぞ」と声をかけられたことを明らかにしました。
日本で生まれたドジャースの選手の通算ホームラン記録は野茂英雄さんが4本、母親が日本人で、沖縄で生まれたロバーツ監督が7本でトップに立っていました。

ロバーツ監督は「この記録がグラウンドの上で私が翔平にリードしている唯一のものだが、それも短い命だ。彼がチームメートと試合を楽しみいいプレーをしていることがとてもうれしい。彼のような選手は常になにかを目標にしていて、今は私の記録を破ることがモチベーションになっているだろう」と目を細めていました。

ブルージェイズのファン“同時に応援も”

移籍先の有力候補のひとつにあがっていたブルージェイズのファンからは大谷選手が打席に立つと大きなブーイングが起こる場面もありましが、試合後には称賛する声も多く聞かれました。

女性ファンは「ブーイングはしたけど、同時に応援もしていました。彼がトロントに来なかったのは本当に残念だけど、きょう球場が満員になったのはみんな彼を見たかったからです。すごい選手だと思います」と話していました。

また、男性ファンは、大谷選手がエンジェルスからFA=フリーエージェントとなり、その去就が大きく注目されていた当時、ブルージェイズの拠点のトロントに向かっているという誤った憶測が、一時、広がったことついてに触れ「彼がトロントに来るとうわさが流れたこともあり、残念ながらそれは実現しなかったけど、彼がいいプレーをしていることがうれしいです。きょうのブーイングが彼がどれだけすごい選手かを表していると思います」と話していました。

【大谷翔平 一問一答】

大谷翔平選手は、1回の第1打席、移籍先の有力候補のひとつにあがっていたブルージェイズのファンから大きなブーイングを浴びせられましたが、動じることなくホームランを打ちました。試合後には、報道陣の取材に11分余り応じました。

〈アメリカメディア〉
Q.ブルージェイズファンからの反応がどうなるかわからなかったなか、第1打席でのホームランはどうだったか?

大谷翔平選手
「1打席目だったので、トロント自体に来るのを楽しみにしていましたし、きょうも満員に近いお客さん、ファンの人がいて、選手冥利(みょうり)に尽きるというか、多くのファンの人の前でやるというのはすごく自分的には、こう、エキサイティングするのかなと思います」

Q.ブーイングにびっくりした?

「びっくりはしなかったですね(笑)」

Q.最近の打撃の好調はなにか要因がある?

「いろいろその、なんていうのかな、データのことも含めてバッティングコーチともよく話しますし、動作的なことも含めてコミュニケーションとれているのがいいところじゃないかなと思います」

Q.ファンからの反応はモチベーションになった?

「モチベーション…、ブーイングされるかされないかは特に結果的な話なのであれですけど、これだけ多くの人に入ってもらって、なんていうんですかね、自分のチームを好きだからこそ相手のチームの選手にブーイングしたりすると思うので、そういう熱量というのは別にドジャースファンでも、ブルージェイズファンでも、野球好きなんだなという、そういうリスペクトを逆に感じるところかなと思いますね」

Q.ブーイングにびっくりしなかったのはなぜ?

「結果的にその、これはドジャースに決めたときも言いましたけど、結果的に行ける球団というのは1つで、僕的にはなんでしょうね、声をかけてもらった球団というのは本当に感謝しかないですし、そこに関しては本当に僕は、ファンの人がどう思っているかは置いといて、僕としてはファンの人たちも含めて感謝しかないかなと思います」

Q.この5試合打線の活気が戻ってきているが、要因はあるか?

「個人的には、やっぱりディフェンスのリズムがすごくいいので、それがオフェンスにつながってるのかなと思いますし、先発もリリーフも、そういうリズムがすごくこう、ディフェンスの面で、いい守備も出ていますし、そこがいちばんの大きな要因じゃないかなと思います」

Q.ロバーツ監督のホームラン記録に並んだが、次は更新が楽しみ?

「今のところそこを目標に頑張っているので、あすまた抜けるように頑張ります」

〈日本メディア〉
Q.ブーイングだけでなく、大谷選手が見たいというファンの声もあった?

「それはもう単純にうれしいですよね。まあ、別にブーイングも嫌ではないというか、野球の一環ですし、ファンの人たちがそれで楽しいのがいちばんだと思うので、選手は別にその、気にしてもらえるだけ、選手にとってはいいんじゃないかと思いますけどね」

Q.ブーイング、誇らしいところもある?

「どうなんですかね、まあブーイングの種類にもよるんじゃないかと思いますけど、結果的に僕はブルージェイズに、「ノー」と言った立場なので、ファンの人からしたらブルージェイズが大好きだと思うし、そこに対しては、ブルージェイズ(ファン)はブルージェイズを応援するのが筋じゃないかと思うので、別にまあ、僕がブルージェイズの逆にファンだったら普通にブーイングすると思いますし、それは野球の一環かな、スポーツの一環かなと思いますけど」

Q.そのブーイングの中で打った1本はどうだったか?

「ブーイングの中で打ったかどうかは別として、詰まってはいたので、入ってくれないかなという単純に、ぎりぎりでしたけど、入ってくれてよかったなっていう」

Q.以前「メンタルも技術」と言っていたが、メンタルをどうコントロールしている?

「もちろん場数もあると思いますし、自分でメンタル強いとはもちろん思わないので、思ってる人に逆にあまり強い人いないんじゃないかなと思いますし、シチュエーションによって確かにプレッシャーがかかるかからないはあると思いますけど、そこは野球やってる以上しょうがないというか、むしろそういうシチュエーションで打席に立てていることが、こういうところで、自分にとってはうれしいことじゃないかなと思いますけど」

Q.ホームランのあとロバーツ監督とことばをかけられていたが?

「いや、「並んだぞ」と、僕の方から言いましたけど(笑)はい、まあそれだけでした」

※一口メモ※
ドジャースの日本生まれの選手の通算ホームラン記録はロバーツ監督の7本(大リーグ通算では23本)。ロバーツ監督は母親が日本人で沖縄生まれ。

Q.ロバーツ監督が「新しい車が欲しい」と言っていたが、記録を更新したときに考えていることは?

「今ですか、特に考えてないですね(笑)」

Q.ロバーツ監督とも冗談を言い合える関係性はどんなプラスがある?

「なんでしょうね、最初の1か月が1か月だっただけに、あの、逆に僕からしたらあんまりこう、なんていうか、気にしないでほしいというか、本当に、むしろ笑いに変えるくらいの、なんていうのかな、コミュニケーションというか、そこをまあ、別にグラウンドに持ち込んでほしくもないと思ってますし、そこはそこで自分で処理すればいいだけなので、もうチームメートには、普通に、こういうふうに冗談も言い合える雰囲気というのがすごく僕にとっては楽かなと思います」

Q.高校の先輩でもある菊池雄星投手との対戦に向けては?

「もうけっこう打席はやってるので、毎年毎年、でもそんなに数があるわけでもないですし、去年も言いましたけど、僕らももちろん大事ですけど、学校もそうですし、教えてもらった先生方もそうですけど、そういう方にとってのほうが楽しみというか、そういう感じじゃないかなと思います」

Q.現在のひじのリハビリの状況は。また、25日の練習で外野でボール拾いをしていたが今後の守備を意識してのものか?

「守備はまったく意識してないです。まあ、スプリント、走りたいなっていう、単純にその、微妙な時間帯のゲームだったので、ちゃんと走ってからゲームに入りたいなということでしたね。まあピッチングに関しては順調に来てるんじゃないかなと思うので、ひじの反応自体もすごくいいですし、そこは順調かなと思います」

Q.リトルリーグ時代の後輩で、陸上の競歩の高橋和生選手がパリオリンピック代表に選ばれたので、先輩としてエールを贈って欲しい。

「頑張ってほしいです。自分が納得できる結果を出せるように。やってきたことをまず出して、出せるのが本人にとっては満足することじゃないかなと思うので」

Q.オリンピックの舞台で戦う選手についてはどう思うか?

「単純にすごいなとは。別に競技がどうのこうのとかではなくて、オリンピックに出る出ないも別に関係ないと思いますけど、その競技をまずそこまで続けようと思ったのもそうですし、続けてきたのもそうですし、これからも続けようと思ってるのもそうですけど、そういう人たち、別にスポーツだけではないですけど、それ自体がすばらしいことだなと思います」

Q.初めて世界大会に出たときの心境や結果は覚えている?

「世界大会…世界大会はたぶん高校の代表じゃないかなと思うんですけど、世界大会…、そのときは単純に甲子園に出てるようなメンバーというか、藤浪選手(藤浪晋太郎投手、現メッツ傘下)もそうですし、あのときは田村選手(田村龍弘選手、現プロ野球・ロッテ)とか、いろいろいましたけど、そういう選手たちとまずやれるのが、別に世界戦がどうのこうのではなくて、そういうチームでやれるのがまずは僕にとっては特別だったかなと思います」