【27日詳細】イスラエル側「最後の機会」交渉の行方が焦点

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続く中、エジプトなどの仲介で戦闘の休止や人質の解放に向けた交渉が行われています。イスラエル側は、「最後の機会だ」としてこの交渉で成果がなければ、ガザ地区南部のラファへの地上作戦を実行に移すとしていて、交渉の行方が焦点となっています。

イスラエル軍は、27日もガザ地区への空爆を続けていて、地元のメディアは、南部のラファで住宅が爆撃され、子どもを含む6人が死亡したと伝えています。

ガザ地区の保健当局は、これまでの死者は3万4388人にのぼると発表しています。

ラファには、多くの避難者を含むおよそ120万人が暮らしていますが、イスラエル軍は、ハマスを壊滅させるためだとしてラファへの地上作戦に向けた準備を続けていて、各国が強い懸念を示しています。

こうした中、エジプトなどの仲介で、戦闘の休止や人質の解放に向けた交渉が行われていて、26日には、エジプトの代表団がイスラエルを訪れ、協議を行ったと伝えられています。

アメリカのニュースサイトアクシオスは、この協議の中でイスラエル側は、「これが最後の機会だ」として、この交渉で、成果がなければラファへの地上作戦を実行に移すと述べたと伝えています。

一方、ハマスは、27日の声明でハマスが提示した条件について、イスラエル側の回答を受け取ったと明らかにし、内容を検討するとしています。

イスラエルが軍事的な圧力を強める中、今回の交渉の行方が焦点となっています。

ガザ空爆で死亡の妊婦から生まれた赤ちゃん死亡

連日攻撃にさらされているガザ地区南部のラファでは、今月21日に空爆で死亡した妊娠中の女性から緊急の帝王切開で女の子の赤ちゃんが生まれましたが、イギリスBBCはこの赤ちゃんが25日に死亡したことがわかったと伝えています。

赤ちゃんが生まれたときの体重は1400グラムほどしかなく重度の呼吸不全に陥っていたということで、母親の隣に埋葬されたということです。

ラファにはガザ地区北部などからの避難者を含むおよそ120万人が身を寄せていますが、イスラエル軍はハマスの壊滅のためだとしてラファでの地上作戦を強行する構えを見せています。

ロイター通信によりますと、住民がラファを離れて別の場所に避難する動きも出ていてガザ地区中部のデルバラハからの映像では、逃げてきた人たちが木材を組み合わせて布やビニールシートを張りテントを建てている様子が写っています。

ラファへの地上作戦をめぐっては、国際社会からも強い懸念が示されていて、26日にはエジプトの代表団がイスラエルを訪れて戦闘の休止や人質の解放に向けた交渉の再開について協議したと伝えられるなど、各国が働きかけを強めています。