東京 千代田区 官製談合事件の初公判 元部長が起訴内容認める

東京 千代田区が発注した工事の入札をめぐって、最低制限価格などの情報を業者に漏らしたとして、官製談合防止法違反の罪に問われている千代田区役所の元部長の初公判が東京地方裁判所で開かれ、起訴された内容を認めました。

千代田区の行政管理担当部長だった吉村以津己被告(61)は、4年前の2020年に行われた区立小学校と幼稚園の改築工事など5件の一般競争入札で、区議会議員だった嶋崎秀彦被告(64)らと共謀し、最低制限価格と入札に参加する業者の数を業者に漏らしたとして官製談合防止法違反の罪に問われています。

26日、東京地方裁判所で開かれた初公判で、元部長は裁判官から間違いがないか問われると、「特にありません」と答え、起訴された内容を認めました。

冒頭陳述で検察は、給排水の設備工事などを行う一部の業者で構成される「千代田区災害対策管工事協力会」を「談合組織だ」と述べたうえで、「協力会の会長に情報提供を求められた元区議から依頼され、元部長は部下に指示を出してデータを入手し、伝えていた」などと主張しました。

この事件をめぐっては、嶋崎元区議会議員も官製談合防止法違反とあっせん収賄の罪で起訴されていますが、まだ裁判は始まっていません。