「北海道被爆者協会」来春解散へ 会員高齢化で活動継続難しく

北海道在住の被爆者などで作る団体「北海道被爆者協会」は、会員の高齢化で活動の継続が難しくなっているとして戦後80年となる来年の春に解散する方針を固めました。

「北海道被爆者協会」は被爆者を追悼する催しのほか、被爆者の相談事業や原爆の悲惨さを伝える活動などを前身となる団体から合わせて60年余りにわたって続けてきました。

1991年には札幌市白石区に民間の原爆資料館「北海道ノーモア・ヒバクシャ会館」をオープンさせ、被爆者の体験談などの資料を展示してきました。

しかし、被爆者の高齢化が進み去年3月の時点で道内の被爆者健康手帳を持つ人の平均年齢は85.88歳となったほか、協会の理事も8人全員が80歳を超えています。

このため協会は活動の継続が難しくなっているとして、戦後80年となる来年の3月末で解散する方針を固めたということです。

解散は来月開かれる総会で正式に決まる見通しで、解散後は活動が可能な被爆者が語り部としての活動を続けるほか、被爆者の2世などで新たな組織を設立するなどして被爆の体験を伝える活動を続けるということです。

北海道被爆者協会の廣田凱則会長は「会員が年を取って思うように活動出来なくなり、解散せざるを得なくなった。ただ、ウクライナなど世界では戦争が続いていて、できるかぎり語り部として子どもたちに被爆体験を伝え続けたい」と話していました。