WADA 中国競泳選手ドーピング陽性問題で独立した検察官招へい

2021年の東京オリンピックを前に中国の競泳選手23人がドーピング検査で陽性反応が出たにもかかわらず大会への出場が許可されていた問題で、WADA=世界アンチドーピング機構は、独立した検察官を招へいして当時の対応などについて検証を行うことを決めました。

WADAは4月20日の声明などで東京オリンピック前のドーピング検査で中国の競泳選手23人から禁止薬物『トリメタジジン』の陽性反応が出ていたことを明らかにしました。

そのうえで当時、中国側は検体の汚染が原因であるとして処分を科さず、WADAも検証を行ったうえで「異議を唱える根拠はない」と結論づけたとし、中国の選手たちは東京大会に出場しました。

競泳の中国代表は東京大会で金メダル3つを含む6つのメダルを獲得しています。

しかし、出場を許可した判断に対し、これまで事実を公表しなかったことも含め、各国のアンチドーピング機構などから批判が相次いだため、WADAは25日、独立した検察官を招へいして当時の対応などについて検証を行うことを決めました。

WADAによりますと、検察官はWADAによる中国側への肩入れや不正がなかったかどうか、そして、中国側の主張を受け入れた判断に妥当性があったかなどを調査します。

また、この調査とは別にWADAの監査チームを中国に派遣するということです。