米中外相会談 北京で始まる ブリンケン国務長官と王毅外相

アメリカのブリンケン国務長官と中国の王毅外相による米中外相会談が北京で行われ、台湾や南シナ海のほか、ウクライナ情勢などをめぐって意見を交わすことにしています。立場の隔たりがある中、関係の安定化の継続について米中両国が確認できるのかどうかが焦点です。

会談は日本時間の午前、北京で始まり、冒頭、王毅外相は「両国首脳のリーダーシップのもとで、中米関係は全般的に安定に向かいつつある。その一方で、マイナスの要素は依然として増大し、蓄積しており、中国の核心的利益は常に脅かされている。中国の主権や安全保障に関して一線を越えてはならない」と述べて、けん制しました。

これに対し、ブリンケン長官は「協議を前進させ、少なくとも誤解や誤算を避けるため、意見の相違のある部分を明確にするには対面外交に代わるものはない。率直な協議を期待したい」と述べました。

アメリカ国務省高官によりますと、会談では、頼清徳次期総統の就任式が5月に迫った台湾をめぐる情勢や、中国が海洋進出の動きを一段と強めている南シナ海などをめぐって意見を交わすことにしています。

また、ブリンケン長官は、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、中国がロシアの軍需産業を支援しているとして、強い懸念を伝える見通しです。

ブリンケン長官が北京を訪れるのは去年6月以来で、滞在中、習近平国家主席と会談するかどうかに関心が集まっています。

米中両国は、去年11月の首脳会談で対話の継続で一致していて、立場の隔たりがある中、関係の安定化の継続について確認できるのかどうかが焦点です。