幹部自衛官5人を懲戒処分「特定秘密」資格ない隊員に伝えたか

防衛省は、国の安全などに関わるとして高度な情報保全が求められる「特定秘密」の情報を取り扱う資格のない隊員に伝えたなどとして、幹部自衛官5人を停職などの懲戒処分にしました。

防衛省によりますと、おととし6月、海上自衛隊の護衛艦の艦長を務めていた40代の1等海佐は、必要な手続きを怠ったまま隊員1人を「特定秘密」の情報が扱えるように指定し、この隊員はおよそ2か月間、「特定秘密」に当たる他国の船舶などに関する情報を取り扱っていたということです。

また、去年7月には、陸上自衛隊北部方面隊に所属する部隊の指揮官だった50代の2等陸佐が、訓練で複数の隊員に指示を出した際、「特定秘密」に当たる有事の際の自衛隊の活動に関する情報を伝えたということです。

いずれも、外部への情報の漏えいは確認されていないとしています。

防衛省は、情報保全に関する意識が著しく欠けていたなどとして、当時の艦長と指揮官を26日付けで停職6日としたほか、護衛艦で情報管理などを担当していた幹部自衛官3人を停職や減給の懲戒処分にしました。

防衛省は、副大臣をトップとする委員会を設置し、再発防止策を検討するとしています。

木原防衛相「極めて深刻に受け止めている」

木原防衛大臣は閣議のあとの記者会見で「各部隊の内部における漏えいで、部外者に対する漏えいは一切確認されていないが、過去の海上自衛隊のOBに対する漏えい事案に続き、このような事案が発生したことについて、極めて深刻に受け止めている」と述べました。

そのうえで「わが国の防衛を全うするために必要となる秘密情報を保有する防衛省において、こうした事案はあってはならないことだ。国民の皆様からの信頼回復に全力を尽くすよう、防衛省全体として再発防止に全力を尽くしていく」と述べました。

そして、副大臣をトップとする再発防止検討委員会で情報保全体制の見直しを検討するよう指示したことを明らかにしました。