ウクライナ 国有地不正取得で捜査対象の農業食料相が辞表提出

国有地を不正に取得した疑いで捜査対象となっているウクライナの農業食料相が25日、辞表を提出したとウクライナの議会にあたる最高会議の議長が明らかにしました。ロシアによる侵攻開始以降、現職の閣僚が捜査対象になるのは初めてとみられ、ゼレンスキー政権は汚職対策へのいっそうの対応を迫られています。

ウクライナの議会にあたる最高会議のステファンチュク議長は25日、ソリスキー農業食料相が、辞表を提出したとSNSで明らかにしました。

ソリスキー農業食料相は、およそ2億9000万フリブニャ、日本円でおよそ11億円相当の国有地を不正に取得した疑いで当局の捜査対象になっていると報じられ、自身も、SNSで、弁護士として活動していた2017年から2018年にかけての事案がおそらく問題とされているが、法律に沿ったものだったと説明していました。

今回の辞表の提出についてソリスキー農業食料相は「現状ではこれが正しいステップだと信じている。議会が辞表を受理すればその決定を受け入れるし、続けるべきだと決めれば仕事を続けたい」として議会に判断を委ねる考えを示しました。

ロシアによる侵攻開始以降、現職の閣僚が捜査対象になるのは初めてとみられ、欧米諸国から汚職対策の強化を求められてきたゼレンスキー政権はいっそうの対応を迫られています。